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第27話 残念!聞き間違えじゃありませんでした!!

《ワールドアナウンス。怠惰の四天王レインが勇者ラルフに殺害されました》


《レベル96になりました》

…………

《レベル126になりました》


《スキル『暗殺(入門)』を獲得しました》

《スキル『格上殺し(入門)』を獲得しました》


レベルが上がった。その前のワールドアナウンスは、つまりそういうことだ。このラルフによって一方的に殺された男、実は四天王だったのだ。


「レイン様⁉」


「どこだ!勇者ぁぁぁ!!!!」


「おい!レイン様の部屋から炎が⁉」


近くにいた兵士達が部屋に入ってくるが、すでにラルフの姿は見えない。代わりに、燃えさかる炎が残っていた。兵士達は消火活動に奔走することになるわけだ。

ラルフがどこに行ったのかと言えば、来た道を逆戻り中だ。四天王の首と近くにあった書類だけ回収して、部屋に火をつけたのである。


(いやぁ~。上手くいった上手くいった。この四天王、後のイベントで勇者パーティーを全滅させるルートがあるから潰しておきたかったんだよねぇ。上手くいって何よりだよ)


危険分子は殺してしまえの考えである。ラルフは達成感に気分を高揚させながら薄暗い通路を駆けていった。




「……勇者様!」


「四天王ってどういう事ですか⁉」


ラルフが戦場に戻ると、ラルフのことを知っている兵士に詰め寄られた。ラルフは適当に、


「いやぁ。ちかくに罠が張られてないかとか探してたら、たまたま隠し通路を見つけまして。それが丁度四天王の部屋につながってたみたいなんですよ。たぶん使えなくなってると思いますけど、入り口までなら案内しますよ」


と言っておいた。兵士達はラルフの提案に頷き隠し通路まで行き、辺りの警戒をしていた。ラルフもそれに加わろうとしたのだが、休んでろと言われて強制的に部屋に連れて行かれた。仕方が無いのでラルフは眠ることに。


そして次の日。


「勇者様万歳!」

「「「「万歳!」」」」


兵士達は盛り上がっていた。まだ戦ってすらいないのに万歳をしている。ラルフは苦笑するほか無い。

とはいえ、士気は非常に高い、そのため開戦すれば、


「殺せ殺せ殺せ殺せぇぇぇぇえ!!!!!」

「俺たちには勇者様が付いてるんだぁぁぁ!!!!」

「魔族がなんぼのもんじゃぁぁぁぁい!!」


ハイテンションで敵に攻め込んでいく兵士達。その士気の高さに魔族は押されて、かなり士気は低下している。数十人規模で脱走者も出ていた。当然指揮官はそれを引き留めようとするわけだが、


(良い的見つけた)


そう言った相手へラルフが切り込んでいく。自分から指揮官だと示してくれる愚か者となったわけである。お陰でラルフの功績がまた積み上がった。

次の日には、


「魔族が撤退しています!」


「おおぉ!俺たちの勝利だぁぁ!!!!」

「「「「ウオオォォォォォ!!!!!」」」」


夜の内に魔族は撤退。勇者1人の参加によって、1つ戦場を押し上げたわけである。これで更に、ラルフの名は高まることだろう。

兵士達は他の戦場へ移るようだが、ラルフは1度帰還することとなる。四天王の件もあるし、色々と今後の打ち合わせをしなければならないのだ。

屋敷に着くと真っ先に公爵の執務室へ呼び出された。


「………勇者君。四天王討伐おでとう」


まずは褒められる。ラルフは予想できていたので、


「はっ!お褒めにあずかり光栄です!この成果も、全ては公爵様のご支援のおかげであります!」


形式通りの言葉を述べた。ラルフと公爵は、この短い会話の中で目線のやりとりをしている。

公爵は四天王討伐のあまりの速さに疑いの視線を向け、ラルフは運が良かったとばかりに微笑む。6歳児がやるようなことではない、高度なやりとりだ。


「それでは、君に次の任務を命じる」


疑っても答えは返ってこないと悟り、公爵は話題を変える。


(次の任務?次って言われても、今まで任務を受けた覚えはないんだけどな。……まあいいか。きっと次に行って欲しい戦場とかを告げられるんだよね?)


ラルフはそう予想する。ラルフとしてはそこまで激戦区には行きたくないのだが、命令されれば行くしかない。


「はっ!いかなる任務であろうとこなして見せます!」


ラルフは敬礼をしつつ、どんな命令が来るのかと身構える。


「うむ。殊勝な心がけだ」


公爵は頷き、真剣な眼差しでラルフを見つめる。見つめられてラルフの表情は引き締まった。

数秒間の沈黙の後、セーナ公爵は口を開き、


「任務を発表しよう。君の次の任務は、我が娘に変装して、学園が終わるまで生活することだ!」


「…………はぁ?」


長い沈黙の後、ラルフの口から漏れるのは困惑の声。


(え?今、娘に変装してって言った?え?聞き間違いだよね?そうだよね?)


ラルフは困惑しながら公爵を見て、


「す、すみません。公爵様。聞き間違えた可能性があるので、もう1度お聞かせ願えますでしょうか?」


「うむ。もちろんだ。もう1度言おう。………君には我が娘に変装して、学園が終わるまで娘として生活して欲しい!」


どうやら聞き間違えではなかったようである。


「……………………」


「……………………」


「……………………」


「……………………」


長い沈黙。そして、


「え、えええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!????????」

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