わるものとうじょう
おはよーございます!筋肉痛とは無縁の体の有難いことよ。神様に手を合わせておく。
僕とサム君以外はすでに起きてるみたい。外から声が聞こえる。
とりあえずパジャマのまま部屋を出ると、ちょうどリンクスが来た。
すでに一仕事してきたみたい。
「お、起きてたかノア」
「あい。いまおきたの」
「サムはまだ寝てるな。ノア、先に着替えて顔洗うぞ。その後朝メシだ」
「ごはん!」
顔を洗って、昨日と同じく畑仕事用のオーバーオールに着替える。
着替え終えると同時にサム君も起きたので、用意が整うのを待って一緒にキッチンへ向かう。
「かあちゃんおはよー」
「おはよーごじゃましゅ」
「おはよう2人とも。皆もう待ってるよ、さあ朝ご飯を食べよう」
朝ご飯はサンドイッチでした。もちろん具はさつま芋!
マッシュしたお芋とゆで卵とレタスが挟んである。
「「「「いただきます!」」」」
「いたらきましゅ!」
んまー!お芋と卵の柔らかさとシャキシャキとしたレタスのアクセント!最高!
もぎゅもぎゅと頬張り、ミルクをゴクゴク飲むとさらに最高。プハー!
朝ご飯を済ませたら皆で畑へ向かい、昨日と同じようにお芋を掘る。
昨日はリンクスとペアだったけど、今日はサム君とペアです。
「いいかノア、いもをきずつけないようにしんちょうにほるんだぞ!」
「あい!サムにーたん」
「ひっこぬくときは、うでじゃなくてこしでぬくんだぞノア!」
「あい!サムにーたん」
僕とサム君2人で、大人1人分の作業量くらいにしかならないけど大事なのは畑へのリスペクトとお芋への愛情です!
皆も汗をかきながら笑顔で収穫を続けている。
そこに畑には似つかわしくない、趣味の悪いスーツ姿の中年男がやってきた。頭部が非常にまぶしい。
「やあやあ皆さん精がでますね」
「何しに来たんだ、ダーキンスさんよ」
トニーさんの態度からして、このハゲ男が招かれざる客なのが分かる。
「何とはご挨拶ですね、いずれ私の物になる畑を見に来たんですよ」
「その話はきっぱり断ったはずだ」
「強情な方だ。十分すぎる報酬を示したというのに、まだ足りないとおっしゃるのか」
ニタニタと嫌らしい顔で下品なことをいうハゲ男にトニーさんの顔が怒りで真っ赤になった。
「ゲスが。それ以上下らない事を言ってみろ、力尽くで放り出してやる」
「おお怖い怖い」
怖いと全く思ってない顔と声だ。
カレンさんとリンクスはハゲ男を睨み付けてるが、イル君達は訳が分からず泣きそうになってる。
僕はというと
「あーっ」
ドシャッ!
引き抜いた蔓や土、そして土の中でお休み中だった虫さん達(栄養満点で大きく育った子たちだよ!)が入ったバケツを思いっきりぶちまけていた。
勿論ハゲ男に向かって。
「ひいいいっ!」
汚れたのは膝から下だけだというのに情けない悲鳴をあげてバタバタと暴れてる。
「ぶっ」
「くっ」
「くふっ」
「ハッハッハッハッハッ!」
「あっはっはっはっはっ!」
「ははははははは!」
そのマヌケな姿を見て皆大笑い。
ハゲ男は顔を真っ赤にして帰っていった。
ご丁寧に、覚えておきなさい!とテンプレートな台詞を吐いてから。
「ははははは!最高だノア!よくやったぞ!」
どうだ!まいったか!とドヤっているとリンクスに思いっきり抱き上げられて誉められた。
トニーさんとカレンさんはお腹を抱えて笑ってる。
イル君達は笑いながら転げ回ってる。
ようやく笑いの発作が治まって来た頃、ジンさんがやって来た。
僕らの様子を見て不思議そうにしたあと
「足元を汚したえらい形相のハゲ男と入れ違いになったが、何かあったのか」
と言ったものだから、また皆で大笑いすることになった。




