げんきがないひと
くるるるる
腹の虫からの登場失礼します。お腹ペコペコノア君です。
今日もジンさんに抱っこされたまま食堂でメイン料理の列に並ぶ。今日の朝ごはんはなんだろな~。
いつもならイワンさんが出てきてくれるのに、今日は違った。
「クリスしゃんおはよー」
「おはようノア君、おはようございます隊長」
配膳口にいたのは料理人見習いのクリスさん。垂れ眉にソバカス、やや小柄で、厨房最年少のお兄さん。
「イワンは留守か?」
「はい。仕入れ先に用があるみたいで、朝早く出発されました。ノア君用のご飯はちゃんと用意してくれてるよ」
「やったー!」
さすがイワンさん!大好き!
今朝のメニューはミートパイ。サクサクのパイ生地にじゅんわり肉汁たっぷりのフィリング。温野菜のサラダ、デザートはうさちゃんりんご。
いつも通りジンさんのお膝で堪能して、お皿を返しに行く。
「クリスしゃん、ごちしょーさまでちたー」
「今日も残さず食べてくれてありがとう。いってらっしゃい」
クリスさんはいつも、これを言う。
食べてくれてありがとうなんて言う人、初めてだったから最初はちょっと驚いた。
素朴で控えめな性格なのだ。そしてちょっとばかり押しに弱い。
ちなみに仲良くなった経緯は、リンクスと厨房にしんにゅ、いやいや潜入した時、見つかりそうになった僕たちをこっそり逃がしてくれたことであーる。…ろくな出会いじゃないな。
ま、まあ、それはさておき。なんだかクリスさんの様子がおかしい気がする。
垂れ眉のせいでいつも困り顔に見えるけど、今日はなんだかそれだけじゃないように見えた。
何かあったのかな?
そんな風に思いながら遠ざかるクリスさんをずっと見ていた。
◇◇◇
クリスさんの様子が気になった僕はおやつの時間に厨房を訪ねた。
「クリスしゃーん」
「ノア君?どうしたの?」
「いっしょにおやちゅたべよー」
「ふふ、喜んで」
今日は天気もいいので、外に出る。厨房の裏手にある大きな木の下に座ってピクニック気分!そよそよ吹く風がとっても気持ちいい。
ちなみに今日のおやつはチョコクッキーである。
本当はチョコレート菓子は所長室以外で食べちゃ駄目って言われてるんだけど、今日は特別。ちゃんとおじいちゃんからいいよって言ってもらった。
「あい、クリスしゃん。きょうのおやちゅはとくべつでしゅ」
「これはクッキーだよね?この色は…」
「カクのみをつかったしんさくスイーツでしゅ!まだひみちゅなの」
しーっと指を当ててクリスさんにクッキーを渡す。
「秘密って、そんな凄いもの僕なんかにいいの?」
遠慮がちなクリスさんは中々手をつけようとしないので、
「クリスしゃん、あーん」
くらえ必殺あーん攻撃!この攻撃をかわすことが出来る者は(今のところ)いない!
クリスさんも観念して食べてくれた。
「おいしー?」
「うん、とっても美味しいよ」
美味しいといってくれてるのに、その表情はなんだか浮かないままだった。
「クリスしゃんげんきないー?」
「…そんなことないよ」
少し間を空けた答えは嘘だということが丸わかりである。
「…失敗ばかりの自分が嫌になる」
じーっと見つめると、うつむきながらぽつりとそう言った。
またまた新キャラ登場です
珍しく容姿について詳しく書いてみましたがやはり苦手です
一体どんな人なんでしょうね
今日も読んでくださる皆様に感謝します




