あらたなブーム
「はぁ〜美味しかったわ〜」
結構な量のバタークリームサンドにミルクティー、そしてロイヤルミルクティーを堪能したアルベルトさんはうっとりとしている。
バタークリームサンドもミルクティーも、試作した分は欠片も、一滴も残らず綺麗さっぱりなくなった。
まだお昼ご飯前なんだけど、何も言うまい。
「紅茶にミルクを混ぜるなんて、思いつきもしなかったわ。アタシ、自分は柔軟な思考をしてると思ってたけど、そんなことなかったわ。まだまだ頭が固いわね」
そんなことないと思うけどな。
固定観念に凝り固まってる人なら、毒のあるカクの実から作られるチョコレートなんて絶対食べないよ。あと、星祭りの日に大はしゃぎするのも受け付けないと思う。
「アルベルト隊長にそんなことを言われると本職としては立つ瀬がないですよ」
「クリスの言う通りだ。スイーツ作りにも慣れてきたつもりだったが、ノアの発想にはとても及ばん。俺らもまだまだだな」
プロのお二人にそんな風に言われると照れちゃうなぁ〜でへへ
スイーツのレシピは僕が発案したわけではないってことは棚上げするけどね。
異世界のことだし、大目に見てもらおう。なにせこっちにはイケメン神という最強のバックがついてるのだ。怖いものなしさ!ふふん
「執務室でも紅茶は淹れられるし、これからに備えて色んな茶葉を用意しなくちゃ。ティーセットも新調しちゃおうかしら」
ミルクティーという新たなスイーツ(というか飲み物だけどね)にアルベルトさんはルンルンと楽しそうにしている。
アルベルトさんならロイヤルミルクティーの淹れ方もすぐにマスターするだろう。
忙しい仕事の最中でもささっと淹れられるし、きっといい気分転換になることだろう。
◇◇◇
その日はそのままチーム用厨房でクリスさんと一緒にバタークリームサンドを量産した。
最初に思った通り、バタークリームには皆さんちょっと困惑気味の様子。
いつもならすぐに終わるスイーツ抽選が、珍しく時間がかかっていた。
まあ、食べた人の反応からすぐに受け入れられたけどね。
対してミルクティーの方はすぐに広まった。
抹茶オレやカフェオレという前例のおかげですぐに市民権を得たのだ。
なので今、研究所ではちょっとした紅茶ブームが起きている。
そしてそれに伴い、思いも寄らない、しかし確実に予想出来たはずの事態が研究所を襲った。
カロリーは正義にして悪魔(意味深)
今日も読んでくださる皆様に感謝いたします
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