びしょうじょ(ママ)といっしょ3
「それじゃあ見回りに行こうか」
空気を読んだのか読んでないのか、のほほんとしたレオンさんに促され皆で移動する。
昨日と同じように森林浴間違えた、見回りに出るとシュークリームとエクレア、ミルフィーユに子牛2頭、ボス牛さんまで付いてきた。
「みんななかよちねー」
もふもふともふもふが仲良くしてる姿はとっても癒やされる。
そして視界の端にちらちら映るチャーリーさんはしっかりと捕獲されている。お疲れ様ですベンジャミンさん。
自由に過ごしている牛さん達の様子を見ながらのんびりと進んでいると、どうしてもお散歩気分になってしまう。あくびが出そうだ。
「うん、問題は無さそうだね。ひとまずここまでにしておこうか。戻って午後の準備をしよう」
「あい!」
「「「「はい」」」」
ピィ!ピィ!ピィ!
ウモ〜 モォ〜
レオンさんの言葉にシュークリーム達も元気よく返事をしている。やっぱり賢いわうちの子達!
◇◇◇
牛舎側の作業小屋に戻ると皆は午後のチーズ作りの準備に取り掛かる。
僕は予定通り先に母屋へと戻りリリーさんと一緒にお昼ご飯の準備だ。
「おてちゅだいいってきましゅ!」
「しっかりやれよ」
「あい!」
ジンさんに見送られ母屋へと走る。今日のお昼ご飯は何だろなぁ〜わくわく
◇◇◇
「リリーママしゃーんおてちゅだいきまちたー」
「おかえりなさいノアちゃん〜今日のお昼ご飯はハンバーグよ〜」
「ハンバーグ!」
「うふふ〜ハンバーグは好きみたいね〜」
「あい!」
ハンバーグなんて皆大好きでしょ!うっひょー楽しみー!
「それじゃあまずは〜玉ねぎを細かくしてもらえるかしら〜」
「あい!」
小型のミキサーのような魔道具にざくざくと切った玉ねぎをぽいぽーい。蓋をしっかり閉めたらスイッチオーン!
ギュワギュワと音を立てながら玉ねぎがどんどん細かくなっていく。
「できまちた!」
「ありがとう〜それじゃあ、ここに入れてくれるかしら〜」
「あい!」
大きなフライパンにみじん切り玉ねぎをどっさり。
「玉ねぎはね〜炒めると甘くなるのよ〜これから玉ねぎが濃い蜂蜜色になるくらいまで炒めま〜す」
「ふぇー」
こっちじゃ飴色じゃなくて蜂蜜色っていうのね。
蜂蜜と言えば透き通った黄色がメジャーというか定番だけど、褐色の物もあるもんね。確かミネラルの含有量で色が変わるんだっけ。
褐色の蜂蜜は風味も個性的なんだよね。1度食べた記憶あるけど、薬として扱われてるのも納得の味わいだったわ⋯
文字通りの苦い思い出に思わずしかめっ面になってしまう。
「あらあら〜目に染みちゃったかしら〜大丈夫〜?」
「だいじょぶー」
いけない、いけない。苦い思い出(文字通り)は記憶の彼方にぽーいだ。
今目の前にある美味しいハンバーグ(まだ材料だけど)に全集中だ!




