ほんしんはどこに
出来立てほやほやの苺のフレッシュソースちゃん!スプーンですくうと、キラキラと宝石のように光り輝いて見える。じゅるり
それではいただきます!パクッとな!
「おいちい〜!」
「本当〜!とっても美味しいわ〜」
「うん!ジャムとはまた違った美味しさだね」
うんうん、レオンさんの言う通り!ジャムとフレッシュソースはまた味わいが違うんだよね〜じゅるり
「ノアちゃんは本当に凄いわね〜こんなに小さいのに物知りさんで、スイーツ作りが上手で、お手伝いも一生懸命する頑張りやさんで〜」
もにゅもにゅと苺ソースを味わっていると、リリーさんによしよしと頭を撫でられた。美少女の微笑み&撫で撫で。なんてご褒美かしらん。でれでれとしながらリリーさんの顔を見ると一瞬息が詰まったような気がした。
なんでだろう。リリーさんの笑顔が、今までとはどこか違うように見えるのは。
どうしてだろう。なんだか泣きたいような切ない気持ちになってしまうのは。
自分で言うのもなんだけど、僕は褒められ慣れてる。スイーツを作るようになってからは特にだ。
皆が凄い凄いと褒めてくれる。だから笑顔を向けられるのも、褒められるのも、頭を撫でてもらうのも慣れてる。
なのに、どうしてこんな気持ちになるんだろう。理由の分からないもやもやが胸に広がっていく。
「ノアちゃん、もし良かったら私のこともママって呼んでくれると嬉しいわ〜レオンだけパパって呼ばれてるの実は羨ましかったの〜」
俯く僕のほっぺたを優しく包んでそう言ったリリーさんは、泣きたくなるくらい優しい笑顔で。
ジンさんとも、アルベルトさんとも、今まで出会ったどの人達とも違う笑顔で。
「…リリー、ママ、しゃん」
小さな声でそう呼ぶととても、とても、優しく微笑んでくれた。
◇◇◇
「うふふ〜ノアちゃんにママって呼ばれて嬉しいわ〜」
少しだけ苦しく感じた胸の熱も落ち着いた。なんとなくほっとしてしまう。
「リリーが嬉しそうで僕も嬉しいよ」
「まあ〜レオンったら〜」
そして隙あらばラブラブっぷりを見せてくるお二人。うん、仲良きことは良き、だね。
ところでそろそろ良いカンジになってると思うんですよね!パンナコッタちゃん!
レオンさんだけパパと呼ばれているのが羨ましいというのも本心だけど、豊かかつ強い母性の人リリーさんは大人の男性ばかりに囲まれてるノア君を心配もしていたのです(ノア君に親兄弟がいないということは知ってる)
という分かりづらいキャラ心理
今日も読んでくださる皆様に感謝いたします
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