いちにちらくのうたいけん3
「今してもらったお世話を1日の間に何度か繰り返します〜牛達は気分屋だから乳搾り以外のお世話の回数は日によってかわるのよ〜」
「ほえ〜そうなんでしゅか」
「そうなのよ〜牛舎ではご飯を食べずに1日中外で過ごす子もたくさんいるのよ〜」
へえ〜やっぱり半分は放牧型酪農ってかんじなんだね。
「朝のお世話は終わったかい?」
ピィ!ピィ!ピィ!
そこにレオンさんとシュークリーム達が登場。
牛舎にはお母さん牛と子牛しかいないから、シュークリーム達を会わせると驚いてしまうかもしれない。だから先に外で過ごしている牛さんに会わせようということで、別行動していたのだ。
「近くにいる牛達との顔合わせは済んだよ。シュークリームもエクレアもミルフィーユも本当に賢いね。僕が何も言わなくても牛を怯えさせないように動いてすぐ馴染んでいたよ」
ピィ!ピィ!ピィ!
レオンさんに褒められて嬉しそうに鳴いている3匹。そうでしょうそうでしょう!うちの子達は賢いのです!賢くて可愛いのです!
後ろでさすがベイビー達だ!と騒ぐ声が聞こえている。けれど、すぐに静かになった。ベンジャミンさんの早業が今日も冴え渡っているようだね。
「まあ〜皆賢いのね〜それじゃあ牛舎にいる子達にも会ってもらいましょうか〜ノアちゃんも一緒に来てくれるかしら〜」
「あい!」
◇◇◇
お母さん牛と子牛との顔合わせも無事に済みました。
レオンさんが言っていた通り、シュークリーム達はまず遠くからひと声かけて、牛さんの反応を見てから怯えさせないようにゆっくり近づいてご挨拶。
今のところ、どの牛さんとも相性は悪くなさそう。すぐに仲良く遊ぶようになるだろうと太鼓判をもらった。
「それじゃあ、今度は僕と見回りに行こうか。結構離れたところまで行く牛もいるからね」
「あい!」
「はい!」
「「はい」」
ピィ!ピィ!ピィ!
◇◇◇
牛舎の奥へ回ると踏み固められた道が延びて、少し先の林へと続いている。
レオンさんを先頭に僕とシュークリームとエクレアとミルフィーユ、後ろにジンさん、チャーリーさんとベンジャミンさん、そして殿にナイデルさん。
近くにいる牛さん達はすでに挨拶済みらしいから、特に近づいてきたり逃げたりする様子はない。
程々に手の入った林を歩いているとさわさわと風が通り抜けていく。
見回りというよりも森林浴をしてるみたいで、ついついのんびりお散歩気分になってしまった。
だからあんな事が起きるとは思わなかった。
木の間を全力疾走しながらすり抜けたり、ひたするぐるぐる回ったり、裸足でガンガン木登りしたり、飛び降りたり。そして怪我をする。そして怒られる。そうやって大きくなりました。うん、健全。
今日も読んでくださる皆様に感謝いたします
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