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きみたちのなは…6

卵。それはスイーツ作りにおいて最も重要な素材である。

特段高級なものでも希少なものでもないけれど、その重要性は他の追随を許さない。


「このたまご、くれりゅの?」


ピィ!ピィ!ピィ!


どうぞどうぞ!と言わんばかりに卵を差し出される。


「チャーリーしゃん、このたまご、たべらりぇる?」


「ああ!この鳥類の卵は食用として流通しているからね!だが一応、調べておこう!」


念のためチャーリーさんに聞いてみると、そんな返事が。

チャーリーさんはどこからかレフ板のような白い板を取り出し(本当にどこから出してきたの?手品?)卵の後ろに立てた。そして端末機器を起動させて卵の写真を撮る。

どうやらスキャン機能があるらしく、端末の画面を見せてもらうと卵の内部が透けて映っている。


「ふおー!しゅごい!」


「そうだろうそうだろう!この機能のおかげで屋内外問わず対象物をスキャンすることができるんだ!これが出来る以前は大型の専用機材、それも屋内に設置しなければならないものしかなくて実に不便だったからね!何より、わざわざそこまで動物を連れていかなければならない、つまり動物に負担がかかるという致命的なデメリットがあった!だからこれを開発したんだ!」


「チャーリーしゃんがちゅくったの!?」


「ああ!」


「チャーリーしゃんしゅごい!」


凄いじゃないかチャーリーさん!ちょっぴり見直したよ!


「この端末サイズでは至近距離でしか使えないが、大型のものを設置すれば離れたところからでもスキャンする事ができるんだ!それこそ、森をぐるりと囲うような大型の背面板を用意すれば森にいる動物全てをリアルタイムでスキャンすることが出来るんだよ!」


ハアハアと鼻息荒く説明するチャーリーさんの姿はとっても変態的だ。見直したのは間違いだったわ。


「うん!この卵も通常のものと同じように食べられるね!」


「ほんとでしゅか!」


「ああ!でも、その、ノア君、出来ればひとつだけでもいいから僕にも卵を分けてもらえないだろうか?」


チャーリーさんにしては珍しく、控えめにもじもじしながら言われたが全く可愛くない。


ピィ!ピィ!ピィ!


どうしようかと思っていると、まるでダメー!とでも言うように鳥さん達がチャーリーさんの前に立ちはだかった。

うん、まあ、なんとなく鳥さんの気持ちは分かる。

鳥さん達の拒絶にチャーリーさんは非常に悲しそうにしている。けど、大丈夫!


「チャーリーしゃん、あんしんちてくだしゃい。このたまごで、ぼくがとびきりおいちいスイーツつくりましゅ!」


「「なんだって!?」」


「まかしぇてくだしゃい!」


ふんす!

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