表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/552

せんせいといっしょ1

「そこはこうして」


「こうでしゅか?」


「そうです。上手ですよ」


おはこんにちは。皆のアイドルノア君ですよー。

本日は第二託児所もとい、警備部隊の内勤部屋にてお留守番。お守り役はエリックさん。

雰囲気も言葉遣いも穏やかで、ほのぼのとした先生みたいなお兄さんだ。笑うと時々背後にお花が見える。

そんなエリックさんと何をしてるかと言いますと、字の練習です。


◇◇◇


外回りに行くジンさんを見送った後、前から考えてたレシピの作成をしようとお絵描き帳を取り出し、いざ!と張り切ってみたものの。

か、書きづらい!お絵描きの段階で薄々分かってたけど、この小さいお手々、鉛筆を持つのも一苦労。

絵ならともかく字を書くとなるとハードルが高すぎる。うわーん!


「おや、お絵描きですか。これは何の絵ですか?」


ぐぬぐぬ唸っているとエリックさんに尋ねられた。

絵じゃなくて字なんですけど。見えませんか。そうですか。悲しくなんかないやい!


「えじゃなくてじなの。スイーツのレシピかくの」


「……そうでしたか」


何かなその間は。字に見えませんか。そうですか。か、悲しくなんかないやい!うわーん!


「ノア君、良ければ一緒に字の練習をしませんか?その日何をしたか、どんな事があったのか、隊長に手紙を書くのはどうです?きっと喜んでくれますよ」


「しゅる!れんしゅう!」


項垂れる僕を見て良心が痛んだのか、はたまた字の汚さを見かねたのか、優しく微笑みながら字の練習を提案された。

それに一も二もなく飛び付き、今に至るわけですよ。


「ノア君は飲み込みが早いですね。上手ですよ」


「えへへへへ~」


エリックさん、先生っぽいとは思ってたけど、教えるのが本当にうまい。それに誉めて伸ばすタイプみたい。

おかげで練習するのが楽しい。もっと誉めてー!


◇◇◇


「ノア君、もうすぐお昼ですから一旦終わりにしましょうか」


なんと。もうそんなに時間が経ってたのか。

エリックさんに声をかけられるまで気づかなかった。


「ふふ。集中してましたね」


「あい。ジンしゃんにおてがみかいてびっくりさしぇるの」


「ふふ。隊長が帰ってくるのが楽しみですね」


そう言いながら微笑むエリックさんと一緒に食堂へと向かった。もちろん移動は抱っこです。

エリックさんてば着痩せするタイプなのね。すりすり。

今日のお昼はカルボナーラのようなクリームパスタだった。

そのままでも十分に美味しいのだけど、エリックさんは更にチーズを追加している。それはもう、すごい量を。


「エリックしゃん、チーじゅしゅきなの?」


そう尋ねると背後にふわふわ花を飛ばしながら答えてくれた。


「ええ、とても。ノア君もかけますか?」


「んーん、だいじょぶ」


パスタの上にチーズの山ができている。そしてそれを幸せそうに食べるエリックさん。

イワンさんに見つかったら怒られないかしらん。

ドキドキしつつも食事を済ませて内勤部屋へ戻る。


さ、お昼寝の前にもうひと頑張りしますか!

エリックさんのおかげで、最初に比べて大分字が上達した。

へへへ~ジンさんに見てもらうのが楽しみだなあ~。

満腹感と満足感でいっぱいになってそのままお昼寝へと突入した。ぐう。



エリックさんは古文の先生のイメージです。

現代文ではなく←どうでもいいこだわり

皆様にはどんな思い出深い先生がいらっしゃるのでしょうか

今日も読んでいただけることに感謝します

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ