おねだり
「動物のいる所に僕有り!動物と共に行動するというなら当然僕も共に行く!行かせてください!お願いします!」
「ああ?」
◇◇◇
「ノア君!今日も昼食はジン隊長と一緒なんだろう?是非とも牧場への同行を認めてもらいたい!だから僕も一緒に食事を取りたいんだがどうだろうか!」
「お前なぁ、本っ当にいい加減にしろよ」
やっぱりそうくるよねー…
しかしチャーリーさん、ギリギリみしみしと音が聞こえそうなほど強力なアイアンクローを喰らいながらも元気いっぱい、ハイテンションだ。流石チャーリーさん。
しかし、認めてもらいたいと言われても僕の一存ではどうにもならない。
けど一緒にご飯を食べることすら拒否するのもなんだか悪い気がする。
…よし。ジンさんに丸投げしよう。だって僕子供だもん。難しい話はわかんないもーん。
◇◇◇
というわけで、3人で食堂へ向かうその途中、ジンさんの後ろ姿を見つけた。
次の瞬間、チャーリーさんがジンさんに飛びつこうとしたのが横目に入ったのだが、それと同時にベンジャミンさんにあっさり襟首引っ掴まれて捕獲されている。
さすがベンジャミンさん!長年の実績と信頼の捕獲術!ひゅー!かっこいいー!
そして今に至るわけです。はい。
「そちらの部隊に、ご実家で酪農をされてる方がいるのがこいつの耳に入ってしまって…」
「うししゃんのおしゃしんもいっちょにみたの」
怒られる前にこちらから経緯を自白しておく。罪を告白しておくかどうかでお説教の度合いは変わってくるはず。たぶん。
「なるほどな」
器用に片眉を上げながら納得した様子のジンさん。お、怒ってる?
ビクビクとジンさんを見上げればぽんと頭に手を置かれる。
「怒ってはいねえよ。まあ、遅かれ早かれこうなるだろうとは思ってたからな。しかし俺の一存では返事は出来ん。当のナイデルも今日は休みで出払ってる」
「そんな!」
「だとさ。諦めろチャーリー」
「ジン隊長!そこをなんとか!なんとかならないだろうか!?」
「だから諦めろと言ってるだろうが」
「落ち着けベンジャミン。チャーリー、一応部下には聞いてみるが、向こうの都合もある。期待に応えられるかは分からないぞ」
「ああ!それでも構わない!恩に着るよジン隊長!」
「ジンさん、いいんですか?」
「普段から見学者を受け入れてるらしいからな。とはいえ、今回は俺たちは泊りがけだ。どうなるかは聞いてみるまでは分からん」
そう言えば見学者用にバターやチーズを作る道具いっぱいあったもんね。
でもジンさんの言う通りだ。どうなることやら…
珍道中なるか
作者にも分かりません←
今日も読んでくださる皆様に感謝します
ありがとうございます!




