たいぎめいぶんがだいじです
「ねぇノアちゃん、この間言ってたくっきーとぱうんどけーきは作らないの?」
「う?」
昼食のために食堂に向かっているとアルベルトさんから尋ねられた。
その表情はいつもよりキラキラしている。
「くっきーとぱうんどけーきもスイーツなんでしょ?作らないの?」
キラキラしてます。いつもより多めにキラキラしてます。
そういえば、イワンさんに突撃したきっかけはそれだった。すっかり忘れてた。
クッキーもパウンドケーキも砂糖と卵とバターと粉だけで出来るし時間もそうかからない初心者向けの簡単なスイーツだけどもイワンさんも忙しいだろうし昨日の今日でまた付き合ってもらうのも気が引けるんだけどでもアルベルトさんが楽しみにしてるみたいだしそれならしょうがないよね!うん!しょうがない!!アルベルトさんの期待には応えないとね!!
え?切り替え早すぎだって?わはははは!なんとでも言うがいい!正義はスイーツに有るのだ!
◇◇◇
食堂で僕が列に並ぶと毎回イワンさんが料理を持ってきてくれるので、ついでに声をかける。
「イワンしゃん、こんどはいつあいてましゅか?」
「今日だ!」
めっちゃ食いぎみに返事してくれたけど、ほんとに空いてるの?
後ろの料理人さん達が青い顔してるけどいいの?だいじょぶ?
「問題ない!」
心を読まれたようなイワンさんの返事にジンさんもアルベルトさんも笑っている。
「昼食が終わったらすぐにでも!」
「イワン、落ち着け。ノアは逃げねえよ」
「そうよー。それにお昼寝もしなきゃいけないんだから。だからこの前と同じ時間にまた来るわ」
「うぬぅ、そうか…」
「イワンしゃん、ぼくすぐおひるねしてくるから、たまごと、さとうと、こなと、ばたーよういちて、まっててくだしゃい」
「おう!わかった!」
「ウフフ~アタシも仕事さっさと片付けちゃわないとね~」
「俺も時間を空けとく。丁度リンクスの馬鹿が仕事溜め込んでやがったから缶詰めさせる」
2人も来るんかい。ってまぁ当然か。僕の筆頭保護者だし。
スイーツにもハマったみたいだし。このまま僕無しでは生きられない体にしてやろう!ふひひ。
さて、この後に備えてしっかり食べてさっさとお昼寝せねば!
待っててねクッキーちゃん!パウンドケーキちゃん!
あと建前も大事ですよね
今日も読んでくださる皆様に感謝を。ありがとうございます