スイーツかくめい☆あまりものパンのフレンチトースト1
アルベルトさんのハンカチを三角巾代わりに頭に巻いてもらい、予備のエプロンを借りて、手をしっかり洗って準備完了! エプロンは折り畳みまくって胸の上に巻き付けてる。みの虫か簀巻き一歩手前だわと遠い目をしてしまう。
作業台の上には卵、バター、牛乳、大量の食パンとコッペパンに果物。そしてお砂糖が並んでいる。
「ざいりょうよち! どうぐよち!」
「おう! 何からすればいい? 指示をくれ」
まずはボウルに卵を割ってまぜまぜ。お鍋で牛乳をほんのり温めてお砂糖を溶かす。お砂糖が溶けたら静かにボウルに注いで卵とまぜまぜ。深めのバットに移して卵液の準備はオッケー。
続いては食パン。薄めにスライスして耳を落とす。僕はフレンチトーストは耳無し派だからね。卵液をよく吸うように、何ヵ所かフォークでプスプスっとな。卵液に浸してしばらく放置。
「これで終わりなのか?」
「パンにしっかりなじむようにちょっとだけおいとくでしゅ。パンをぶあつくしゅるなら、ひとばんまつでしゅ」
「ふんふん、なるほど」
作業の合間にしっかりとメモをとるイワンさん。文章だけでなく絵も描いてる。しかも上手い。意外な一面だね。さて、パンを浸けておく間ただ待ってるなんてことはしませんよ! 時間は有限、さくさくいきましょう!
「まってるあいだにもうひとしなつくりましゅ!」
続いて準備するのは生クリーム。泡立てといえば電動ミキサーだというのに、そんな道具は聞いたことがないと言われてしまった。なんてこった。しかしないものは仕方ない。とりあえず今は手動でやるしかない。
お砂糖を加えて、泡だて器で混ぜて、混ぜて、ひたすら混ぜる。僕じゃなくてイワンさんがんね。さっきから僕は口しか動かしてない。危ないからと、厨房に入る時にジンさんに抱っこされて下ろしてくれないのです。まあ、今の僕の体格じゃあね、しょうがないよね。早く大きくなって自分の手でスイーツ作りがしたいです。
「生クリームと言えばスープやソースに使うもんだが、砂糖をいれてかき混ぜるとこんな塊になるなんて信じらんねえな。こんなもんでどうだ?」
「かんぺきでしゅ!」
ツンとツノが立ったぴかぴかの生クリームにテンションが上がる。しかし皆は何とも言えない顔をしている。ここはひとつ、味見といこうじゃありませんか。
「イワンしゃん、あじみしましゅ!」
「あ、ああ」
スプーンにちょっぴり生クリームをとってもらい、パクっとな。
「ん~! おいちい!」
美味しいー! 久しぶりの甘味! これこれ、これですよ!
僕の反応を見た三人も恐る恐る生クリームを口に運ぶと、カッと目を見開く。
「「美味い!」」
「美味しい!」
三人とも心底驚いたといった顔をしている。
「こいつは凄い! 砂糖でこんなに味が変わるのか!」
「信じられない! なんてことなの!」
「美味い! 美味すぎる!」
よっしゃあ! びくとりー! さあ、ここから畳み掛けるぞ!
「そのなまクリームとくだものをパンにはさむでしゅ!」
「「なんだと!?」」
「なんですって!?」
まずはお手本。食パンの耳を落とし生クリームを塗り広げ、上に果物を乗せる。ここはやっぱり定番の苺かな。苺が見えるように縁ぎりぎりに置いて、その上からまた生クリーム、食パンを重ねて軽~く圧迫。コッペパンも同じように生クリームと果物を乗せる。これで!
「フルーちゅサンドと、デじゃートコッペパンかんしぇー!」
「「おおー!」」
「キャー! 可愛いー!」
うんうん可愛い! そして美味しい! 食べなくても分かる! でもこれで終わりじゃありませんよ。食パンもコッペパンも、そして生クリームも果物もまだまだある。
「パンはどんなものでも、うけいれてくれるんでしゅ。みんにゃも、すきなものをすきなだけはさむでしゅ!」
「「おう!」」
「ええ!」
皆はしゃぎながら思い思いに具材を挟んでいる。好きな物を好きなだけ使えるのが手作りのいいところだよね!
「「「出来た!」」」
ジンさんはコッペパンに生クリームオンリー。シンプルイズベストだね。漢! って感じ。
アルベルトさんのは、コッペパンに生クリームと果物たっぷりで女子受けしそうな可愛らしい仕上がりだ。
そしてイワンさんはといえば
「見ろ! この美しい断面を!」
「キャー! 何それ可愛いー!」
「おお、すげえな!」
なんと萌え断フルーツサンドを作っている。さすが本職の料理人、見事な出来映えだ。アルベルトさんもキャーキャー言って喜んでる。どんどん量産されていくフルーツサンドとデザートコッペパンに、否応なくボルテージが上がっていく。そろそろ実食といきましょう! ナイフとフォークなんていりません。素手で持ってガブっといくのが作法です! いただきまーす! ぱくっ!
「おいちー!」
「「美味い!」」
「美味しい!」
おーいすぃー! もぐもぐうまうま。
三人も目を輝かせてバクバクと食べている。イワンさんはフルーツサンドを両手に持ってるし、アルベルトさんは女子高生みたいにキャーキャーはしゃいでる。そしてジンさんはまるで飲み物みたいに次々と食べている。
「砂糖を料理に使ってこんなに美味いもんができるとは! それに甘い生クリームとフルーツがこんなに相性がいいとは驚いたぜ!」
「本当よね! 砂糖を使うなんて最初は耳を疑ったけど、とっても美味しいわノアちゃん!」
「ああ、本当に美味い! 凄いぞノア」
お互いに作った物をシェアしつつ大盛り上がり。いつの間にか名前で呼び会うようになってるし。うんうん、仲良きことは良きですな。そしてあっという間に完食した。
皆に順番に頭をぐりぐり撫でられる。でへへ~。もっと誉めて誉めて~。
「ところでノア、さっきの食パンは? まだ浸けておくのか?」
おっと、そうだった。本命のフレンチトーストを忘れるところだった。危ない危ない。それでは今度こそフレンチトーストに取りかかります!
実際にパンと生クリームと果物缶をテーブルにどんと並べてオリジナルパンを作っていたのを思い出します。
皆様の思い出のパンはどんなパンですか?
今日も読んでくださる皆様に感謝を。ありがとうございます




