あたらしいおうち、あたらしいかぞく
少しだけ編集しました
「ほっほっ、また会いましたね、小さなお客さん」
なんということでしょう。サンタさん(偽)は所長さんでした。
「ほっほっ、どうやら夢だと思われていたようですねぇ」
そうね、夢だと思ってました。夢じゃなかったんですね。
「改めまして、ノア君。私はニコラスといいます。この研究所の所長です。元気になったようで良かった」
おっとボーっとしてる場合じゃない。僕の美幼児力でなんとしてもサンタさんもとい所長さんを篭絡せねば!
「あい。ありがとごじゃましゅ、ニコりゃしゅしょちょー」
「私はオリバーです。ここの副所長です。どうぞよろしくノア君」
「あい。よろちくおねがいしましゅオリバーふくしょちょー」
にこにこ笑顔で元気良くお返事。どうだ可愛かろう!僕の愛らしさにひれ伏すが良い!
「ほっほっ、呼びにくそうですねぇ。よければおじいちゃんと呼んでくださいノア君」
「あい。おじーちゃん」
「ほっほっ」
「おやおや所長、楽しそうですね。所長がおじいちゃんなら、私はパパでしょうか」
うんうん、好感触じゃないですかこれは!
しかしオリバーさんのパパ発言は悪ノリっぽいな。だってジンさんのこと見ながら言ってるし。しかも笑いながら。なかなかイイ性格してるんじゃなかろうか、このイケオジ様。
「ほっほっ。ノア君、これからはこの研究所が君の家で、ここにいる皆が君の家族です。そのことをしっかり覚えておきなさい」
「…あい」
やだ、涙がでちゃう。だっておとこのこだもん。
なんてふざけてないと本当に泣いてしまいそうだ。
元の世界の事、その世界の自分の事、いろんな事を忘れて、空っぽになった事。
それが本当は悲しかった。
けど、ノアという名前を得た。それだけで十分だと思っていた。
心の中で、ジンさんやアルベルトさん、イワンさんやリンクス達の事を家族"みたい"だと思っていた。"みたい"で十分だと思っていた。
でもニコラスさんは、言いきった。ここが家だと。皆が家族だと。
嬉しい。嬉しい。胸が苦しいくらいに。
これからは正真正銘、この世界のノアで、この家のノアで、皆の孫で子供で弟のノアなんだ。
「あい!」
おじいちゃん、ジンさん、オリバーさん、アルベルトさん、4人の顔を見て、もう一度、大きな声で返事をした。
ふくよかなお爺様って包容力高そうな印象です。
ノア君の考えてることもお見通しです。
ジンさんと違って←まあ、伸び代があると思えば…
皆様に楽しんでいただければ幸いです。今日もありがとうございます




