まつりのためのそのいち!1
ホワイトチョコムースの試食も済んだのでお暇しようかと思ったんだけど、急ぐ仕事もないと言うのでそのままお祭りに関して色々と相談することにした。
「お祭りスイーツ用の魔工品の開発と手配はドミニクと連絡を取りながら進めましょう。救護所の設置については後日アルベルトも交えて細かいところを決めていきましょう」
「オリバー君、ドミニクさんといったかね、その魔工品職人の方にこちらへ来ていただくのはどうですかな」
へ?何それ、そんなことしていいの?
「おじーちゃん、ドミニクしゃんよんでもいいの?」
「ほっほっ。工房でしか出来ない作業もあるでしょうが、会場での設置と微調整には職人の力が必要になるでしょう。関係者としてお招きしましょう」
え、春祭りって部外者は参加出来ないんじゃないの?そんなこと許されるの?
「ふむ。所長がいうのであれば、私も否やはありません。ドミニクの都合もあるでしょうが打診してみましょう」
やったー!屋台要員が増えたー!おっといけない本音が出ちゃった。
でも冗談抜きに助かるし嬉しい。
お祭り用の特別な魔工品を作ってもらってそれで終わりっていうのも申し訳ないっていうか、どうせなら使ってる所や喜んでる人を見てもらえたらいいのになと思っていたから。
たぶんおじいちゃん僕が考えてることお見通しだったんだろうな。
あ、そうだカラースプレーを作る魔工品についても忘れずに相談しなきゃ。なにはともあれ
「おじーちゃん、オリバーしゃんありがとごじゃましゅ!」
さーこれからますます忙しくなるぞー!
◇◇◇
「ドミニクしゃんこんちわー」
ただ今スイーツ研究チーム専用厨房にて、ドミニクさんと通信中であります!
あった方が便利だろうとオリバーさんが大型の液晶を設置してくれたのだ。
通信回線もこことドミニクさんの工房だけに繋がる専用回線なので、情報漏洩の心配も皆無です。
…一体どれだけの費用がいやいや考えちゃいけない。難しい話はお空の彼方にぽいだ。
「おうノア。今度はどんな魔工品が欲しいんだ」
さすが職人。前置き一切無しだね。
まあ、話がスムーズに進むからいっか。
「んっとね、まずは、たいやききをまるくしてほちいの」
「丸く?回転型にでもすりゃいいのか?」
「ううん。おさかなのかたちじゃなくて、ボールみたいにまんまるになるようにしたいの」
「ああ、鉄板の窪みを半円にすりゃいいんだな」
「あい!」
「それならすぐに出来るぞ。他にはどんなモンがいるんだ」
「かちごおりきとわたあめきでしゅ!」
かき氷器は氷を固定する土台と、ハンドルと連動して回転する刃を一体化すればいい。はず。たぶん。
お絵かき帳に大雑把なかき氷器とかき氷の絵を描いて、それを見せながら説明する。
「こおりがけずれて、ゆきみたいにふわふわになりゅの。くだもにょのシロップをかけてたべりゅの」
「なるほどなるほど。しかしかき氷とやらはなかなか美味そうだな。雪を食いたいと思ったことがある奴は大勢いるはずだからな」
ガハハと笑うドミニクさん。
やっぱり雪を食べたいって思う人いるよね。どこの世界でも考えることは一緒だね。
今更ですが
ムースといえば本来は卵を使ったりゼラチンを使ったりと色々難しいスイーツですが、そんなものはプロのパティシエにお任せすれば良いのです
家で作るなら簡単、手間なく、材料少なく、がモットーです(ズボラともいう)
今日も読んでくださる皆様に感謝します
ありがとうございます




