みつけました!
「ギャー!可愛いいいい!」
後ろから野太い乙女の絶叫が聞こえる。
けどうさぎさん達は我関せず。もぐもぐと草を食べている。か〜わい〜な〜。でれでれ
って、ん?んん?
うさぎさんが食べているこの草、よくよく見たら、アレにそっくりじゃないか。
戻ってリュックをごそごそと漁りお目当ての物を取り出す。テレレレッテレー♪
「かんいチェッカ〜〜」
「なんだそのだみ声は」
「喉でも痛いの?ノアちゃん」
「んーん。なんでもないでしゅ」
ついね、つい。
で、この簡易チェッカーが何かといいますと。
初めてチョコレートを作った時にベンジャミンさんが使ってた体温計型の毒の有無を調べる道具、あれの別バージョン。
向こうの世界にあったヘアアイロンみたいな形をしていて、ピッタリと隙間なくくっつくようになってる。
調べたいモノを挟んでスイッチを入れると毒があるかないかが分かるようになっているのであ〜る!
ちなみに180度開くようにもなってて、大っきい物や丸い物に先端を当てると調べることも出来る。
とっても優秀な子なのです。
ということで、うさぎさんが食べてるのと同じ草を挟んでスイッチオン!ピッピッピッピー
どれどれ判定は…オールグリーン!毒性ゼロ!
試しにちぎって匂いを嗅いでみる。
うん、間違いない。やっぱりこれは
「よもぎー!」
◇◇◇
よもぎ。それは食べて良し、飲んで良し、浸かって良しの万能ハーブであ〜る!
食べるためには少々手間がかかるけど、そんなものは微々たる問題だ。
食べるにしろ使うにしろ、まずは集めるところからだ。
「ノア、今回はなんだ」
「またスイーツの材料を見つけたの?」
「どんなスイーツになるんだ!?」
「抹茶みたいに美味いもんが出来るのか!?」
腕まくりをしてフンス!と気合を入れていると、皆がこちらへやって来た。
「あい!スイーツにつかえりゅし、おちゃにもなりましゅ!あとおふろにもつかえましゅ!」
「ほう」
「まあ!」
「なんだと!」
「ほほう!」
皆俄然やる気になったもよう。
よーしそれでは摘んで摘んで摘みまくるぞー!
表面はみずみずしい黄緑色で、柔らかく、香りがいいものを摘む。
大人が4人もいればあっという間に大量のよもぎが集まった。
でも下準備でアク抜きのために煮たり、蒸したり、乾燥させたりするから、材料として使う段階ではか〜な〜り、嵩が減るんだよねぇ…
まあ、それは今言ってもしょうがない。
摘み集めたよもぎを今まで敷いていたシーツにくるんで、工房へ戻る。
皆走ったりはしないけど、かなりの早足だ。ちなみに僕はジンさんに抱っこされてます。高いし速いし怖い!けどよもぎスイーツのためなら我慢できますとも!
そうして工房へと戻ってきた。
兎がよもぎを食べるかどうかは知りませんが
てゆーか多分食べないと思う
でもファンタジーですから!(大声)
手が真っ黒になるまで摘んだのも今はよい思い出です
大人になった今は財力に任せて完成したよもぎ餅を買い漁っていますがね
これが大人になるということか…
今日も読んでくださる皆様に感謝します
ありがとうございます




