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ふれあいました

普段は忙しく働いてる反動だろうか、ジンさん達はまったりと寛いでいる。

そして皆と違って元気いっぱいで少々退屈をもて余す僕。

あ、そうだ。アレを作ろう。

起き上がって靴を履くと、周囲に生える小さな花を摘み集める。

なるだけ茎を長く採って集めたら、まずは茎を何本かまとめる。

まとめた茎がバラバラにならないように、新しい茎をくるりんっと一周巻き付ける。

まとめた茎と巻き付けた茎を重ねて、さらに新しい茎をくるっと巻き付ける。

隙間が出来ないように、たっぷりお花を挟みながら、かつ、お花が落ちないように注意しながらこれを繰り返していくと花のロープが出来上がる。

最後に端っこ部分の長さを整えて、茎できゅきゅっと結べば


「はなかんむりかんしぇー!」


「キャー!何それ可愛いー!」


「器用なもんだな」


僕がひとり遊んでるのを興味深げに見ていたジンさん達は驚いている。

乙女のハートもばっちり鷲掴んだみたい。

でも花冠って誰でも知ってるものじゃないの?こっちの世界にはないの?


「ノアちゃん、アタシにも作り方教えてちょうだいな」


「俺にも教えてくれるかノア」


アルベルトさん(乙女)ドミニクさん(職人)は初めて見る花冠に興味津々みたい。

せっかくなので、ジンさんとイワンさんも一緒にもう1度花冠を作ることに。

まずはお花を集めないとね。

ちみりちみりとお花を積んでいると、ふいに白い塊が視界に入った。

はて?なんだろう?と思っていると白い塊がぴょっこと立ち上がった。丸い尻尾とピンと長い耳が生えてる立ち姿。こ、これは!まごうことなき!


「うしゃぎしゃん!」


思わず大きな声が出てしまい、慌てて口をふさぐ。

けどうさぎさんはこちらをちろりと見ただけで逃げる素振りを見せない。

地面に伏せるともぐもぐと草を食べている。

人に慣れてるのかしら?それとも僕が舐められてるのかしら。…後者のような気がしないでもない。

ああでも可愛いなあ〜。小さな花が咲いている緑の絨毯の中の白いもふもふ!

まるで絵本みたいな光景にほんわかしていると、また1匹、さらにまた1匹と、次々にうさぎさんが姿を現した。


「ふおおお!」


我慢する間もなくまたもや奇声を発する僕に、うさぎさん達は立ち上がるものの、やっぱり逃げる様子はない。

口元をもひもひとさせながらこちらを見ている。


「おお、ありゃ草原兎の家族だな。大人しい気性で噛みつきはしないが気をつけろよノア」


「あい」


はわはわしていると、ドミニクさんがうさぎさんについて教えてくれた。

うさぎの家族とか可愛いにも程がある!

近くで見たいけど、野生の動物だし無理だろうなぁ…はっ!良いこと思いついた!

バサリとパーカーのフードを被り地面に伏せる。

そうすると、うさぎさん達はいっせいにこちらを見た。

そしてぴょっこぴょっこと跳ねながらこちらへと近づいてきてくれた。

そしてとうとう距離がゼロに!

ふすふす、ふすふす、と僕の臭いを嗅いだと思ったら、そのまま僕のそばで草を食べ始めた。

そろりと手を伸ばして毛並みを撫でてみると、抵抗することもなくそのまま撫でさせてくれた。

うっひょー!!もふもふ!もふもふー!

今の僕はさぞかしデレンデレンとした顔をしてることだろう。

え?何でこんな事ができたのかって?

ふっふっふっ。説明しよう!

この幸せもふもふパラダイスが成功した秘密は今日の僕の装いにある。

今日僕は緑色のズボンに白いパーカーを着ている。

パーカーには当然フードがついている。

そしてここがポイント!僕の持ってるパーカーはほぼ全てにケモ耳がついている。

ここまで言えばお分かりいただけるでしょう。

今日のケモ耳パーカーはうさぎ耳なのです!いえーい!

垂れ耳だから通用するかわからなかったけど、見事おびき寄せることに成功しました!いえーい!

うさぎ可愛いですよね

もふもふ


今日も読んでくださる皆様に感謝します

ありがとうございます

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