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てんにおまかせ

いったいどうすればいいんだ…

僕にはもう、分からない…


「くじ引きにでもすりゃいいじゃねえか」


はっ!その手があったか!


◇◇◇


オリバーさんの言う通り、チョコスイーツのレシピは3ヶ月おきに公開することに決定。

そしてその第1陣をどのスイーツにするか。

う〜んう〜ん。3種類…選べません!

選べないよ!ざっと思いつくだけでも8種類もあるのに。

3ヶ月ごとにレシピを公開するっていっても、お子ちゃまの僕には、はるか先のように感じる。

どうしたらいいんだー!


「朝っぱらから何を唸ってるんだノア」


「お腹でも痛いの?ノアちゃん」


ジンさんに抱っこしてもらい食堂へと向かう途中、隣を歩くアルベルトさんに心配そうに顔を覗き込まれた。


「おにゃかはいたくないの。だいじょぶー」


「そう?それならいいんだけど」


「もうすぐ着く。あと少しの辛抱だノア」


ちょっとどういう意味さジンさん!僕がお腹空きすぎて唸ってるとでも!?

ぶすくれた顔でジンさんを見ると頭を撫でられた。

そんなんで誤魔化されないんだからね。でももっと撫でて。


「スイーツのことでなやんでりゅの!」


思わず語気荒く返すとふたりの目がギラリと光った。ひぇっ


◇◇◇


「なるほど、そういうことだったのね。確かに難しい問題ね」


事のあらましを聞いたアルベルトさんは悩ましげに眉を寄せている。そんな表情もイケメンだわ。

でもめっちゃ食べてる。まるで吸い込まれるようにお皿から食べ物が消えていく。

吸引力の変わらない…なんだろう?何処かからそれ以上は駄目って聞こえた気がする。まあいいや。

でも本当にどうしたもんかなあ。

チョコレートってどうしても冬物って感じのスイーツだからなあ。

その点でも悩ましいことこの上ない。

ああー!どうしたらいいのー!


「くじ引きにでもすりゃいいじゃねえか」


そこにぽいっと投げられた一言。


「そんだけ悩んでも決められねえなら天に任せるのも有りだろ」


「確かにそれもいいわね。どう?ノアちゃん」


うん。そうだな。ジンさんの言う通り、天に任せるとしましょうか!決して悩むのが面倒くさくなったとかじゃないからね!


「あい。そうしましゅ」


よし問題解決!さーこれで心置きなく朝ご飯を堪能できるぞー!


◇◇◇


朝ご飯を食べ終えて、秘密基地に来た僕とジンさんとアルベルトさん。

お絵かき帳から紙を1枚破り、さらにそれを細かくちぎる。

1切れずつスイーツ名を書いて、それが見えないようにくりっと捻る。

全部出来たらわさわさと混ぜる。


「ジンしゃん、アルねえしゃま、じゅんばんにひいてくだしゃい」


「おう」


「ええ!」


2人で交互に引いてもらい、第1弾、第2弾、第3弾と振り分けていく。

それでは結果はっぴょ〜う!だだん!

第1弾は生チョコ、ガトーショコラ、フォンダンショコラ!

第2弾はトリュフ、マンディアン、ブラウニー!

そして第3弾はテリーヌとアマンドショコラに決まりましたー!

うんうん、まあまあ、いい感じと言えばいい感じかな。

第1弾はいかにもチョコレート!って感じのバレンタインにもぴったりのスイーツだし。

冷やしても美味しいテリーヌと、アーモンド主体でドロドロに溶ける心配の少ないアマンドショコラが半年先の暑い頃となれば、うん、まあいい感じだろう。

2人に手伝ってくれたお礼を言ってそのままお見送り。いってらっしゃーい。

さて、時は金なり有限なり。さくっとレシピを書こうかな。

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