スイーツかくめい☆しゅくふくのガレット・デ・ロワ3
ガレット・デ・ロワのレシピを書いたのが2日前。
そこからクリスさんとイワンさんが試作、味見をさせてもらったのがその日の夜。
もちろん味も見た目も文句ナシの逸品でした。
そして怒涛のケーキ作り!
なんせ研究所にいる人の数は3桁を越える。
通常の食事+毎日のおやつ+ガレット・デ・ロワという地獄の進行である。
研究所名物、コック服のゾンビーズ大発生である。
戦闘服を手に入れた僕も微力ながらお手伝いをしている。
材料の計量と、アーモンドの埋め込みをせっせとこなす。
なんとアーモンドはキャラメリゼしてあるのですよ奥さん!クリスさんてばなんて恐ろしいことを!けしからん、もっとやれぃ!
欠けてるものはお口にポイ。なんてことはしませんよ。たまにしか。
…い、いいって言ったもん!クリスさん、いいって言ったもん!
と、とにかくこの2日間はひたすらクリスさんとイワンさんのお手伝いをしていた。
それと紙の王冠作りも。こちらはジンさんやアルベルトさん、警備部隊の皆も手伝ってくれた。そのおかげで十分な数を用意する事が出来た。
ちなみに報酬はガレット・デ・ロワの試作品だ。皆張り切って仕上げてくれた。
生地を混ぜては焼き、混ぜては焼き。どんどん作られていくガレット・デ・ロワ。
そして本日、星祭り当日を迎えた。
厨房にずらりと並べられるガレット・デ・ロワ。
はあ〜なんて素敵な光景なんだ。ケーキ屋さんの裏側ってこんな感じなのかしらん。
うっとりと眺めているとひょいっと抱え上げられた。
「いつまでそうしてんだノア」
「ふふふ、ノアちゃんの気持ちも分かるわ。1度味見はしてるけど、こんなの見ちゃったら、今から夜が待ち切れないわ」
「星祭りといやぁ、静かに過ごす日だが、それも今日限りだな」
「そうですね。美味しさと運試しの2つで騒ぐ人達が続出するでしょうね」
「レシピはもう公開されてるんだろう?」
「ああ、ギリギリだったがな。材料がシンプルで入手しやすい物ばかりなのが幸いした」
「家庭でも簡単に作れるレシピだったのも、ラッキーでした。これからは家族でガレット・デ・ロワを作って過ごすのが星祭りのスタンダードになるんでしょうね」
そう、今回はかなりタイトなスケジュールでのレシピ公開となった。
でもイワンさんとクリスさんの言う通り、シンプルな材料と作り方のおかげで、思った以上のスピードで広まった。
そしてそれは、オリバーさんの活躍のおかげでもある。
各種材料の問屋さん、街の商店さんでレシピと材料、紙の王冠をセット販売するというアイデアを実行したのだ。
2日前の試作の段階でその手はずを整えていたというのだから、びっくりしたし、流石と思ったし、1周回って怖いとすら思ったよ。プルリ
ま、まあ、とにかく、そういう事で、いよいよ夕食の時間、ガレット・デ・ロワ、実食!でございます!
未来予知出来るのかというほど、仕事の早い方って憧れます
鈍臭さに定評のある作者です
今日も読んでくださる皆様に感謝します
ありがとうございます




