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スイーツかくめい☆しゅくふくのガレット・デ・ロワ2

もうひとつ忘れてはいけないのは王冠だ。

当たりを引いた人その日1日王様になれるのだ。王様は紙で出来た王冠を被る。

まあ、王様だから何か出来るということもないんだけど、こういうのはやる事に意味があるのだ!たぶん。


ペンを置くのと同時に、ノックされた。


「はーい」


扉を開けるとクリスさんがいた。


「どーじょー、はいってくだしゃい」


「お邪魔します。レシピの進み具合はどう?」


「ほとんどおわりまちた。クリスしゃん、このおへやの、ざいりょうのおせわしてくれてありがとごじゃましゅ」


「ふふ、どういたしまして。向こうの厨房の分と一緒にするから、そんなに大変でもないよ。それより、僕の方こそごめんね。ノア君の厨房なのに、僕は出入り自由なんて、あんまりいい気分じゃないよね」


食材の管理って地味に大変なんだよね。生物や乾物それぞれ消費期限が違うし、保存方法だってばらばらだ。

そう思ってお礼を言うと、気にしないでいいよ、とさらりと返された。それどころか、僕の方を気遣ってくれた。やだクリスさんてば爽やかイケメン。


「んーん。じぇんじぇんきにならないでしゅ。こりぇからもよろちくおねがいしましゅ」


「そっか、それなら良かった」


にこにこと笑いあっていると、僕の腹時計が控えめに主張しだした。


「ノア君、よかったら一緒にお昼ご飯食べない?このスイーツについて、色々聞かせてくれないかな」


「あい、よろこんでー!」


というわけで、本日はジンさんとクリスさんの3人でお昼ご飯をいただきます。


◇◇◇


「新年のお祝い用のスイーツっていうこと?」


「あい。たべるときは、いちばんとししたのひとが、どのピースをだれがたべるかしめいしゅるの。あたったひとはおうしゃまなの」


「へえ〜面白いね」


「祭事限定のスイーツってことか。じゃあ年に1度しか食えないんだな」


残念そうなジンさんの言葉に思わず笑いそうになる。

ぜったいダメってこともないけどね。

美味しい物はいつ食べたって美味しいし、いつでも食べたいものだ。まあ、特別感は薄れるけども。


「フェーブだっけ、これって何かで代用できないのかな?流石に明後日までに数を用意するのは難しいよ」


「アーモンドでだいようできましゅよ」


フェーブは誤飲の危険性と隣合わせなんだよねぇ…

だから、アーモンドやドライフルーツで代用することが多い。

でも本物のフェーブが入ってる方が絶対楽しいし盛り上がるよね!

手づかみでバクバク食べたりさえしなければ、歯が欠けたり飲み込んだりっていう危険性はないと思うけど。いい大人だったら大丈夫でしょ。…大丈夫だよね?

でもまあ、クリスさんの言う通り、大量のフェーブを用意するのは無理だし今回はアーモンドで代用するしかないね。僕の以外は。

僕のっていうのは、筆頭保護者であるジンさん、アルベルトさん、イワンさん、クリスさんをはじめとした、普段関わる事が多い人達と分ける用の分だ。

まあ、おじいちゃんやオリバーさんは忙しいから、一緒に食べるのは無理だろうけど。

リンクスやテオバルトさん、ベンジャミンさんあたりはタイミングが合えば、一緒に楽しめるかもしれない。

材料の在庫や準備の段取りを考えてるクリスさんの横顔は真剣そのもので、でもどこか楽しそうで。本当たくましくなったなあ〜と思う僕だった。


誤飲…恐ろしい響きです

しかしファンタジーなお話ですからね

そんな現実的な話はさようなら〜


今日も読んでくださる皆様に感謝します

ありがとうございます

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