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ゆきのひのたのしみかた3

中庭に戻るとそこには白い三角屋根の小屋があった。

…えええええ!?


◇◇◇


小屋のもとへ急ぐと、やっぱりというか当然というか、それは雪で出来た小屋だった。

小屋の側に立つ満足気なジンさんとテオバルトさん、そしてシャベルを支えにしゃがみ込むリンクス。


「うおお!何だこりゃ、雪の家か?」


「かまくらってやつらしい。本来は半球状のモンらしいんだが単に雪積んだだけじゃ面白くねえと思ってな」


「いちから作り直した」


「つ、疲れた…」


瀕死のリンクスに比べてなんだかツヤツヤしているジンさんとテオバルトさん。

どうやら秘密基地作りによって少年心が大いに刺激された模様ですね。楽しんでもらえたようで何よりだ。あ、小屋の後ろに最初に作ったかまくらもある。


「最初に作ったほうもしっかり完成させたぞ」


「だがどうせなら全員入れる大きさのを作ろうって話になってな」


「それでノア、その鍋の中身は何なんだ?」


「かまくらにはかかせないスイーツでしゅ!」


ジンさんもテオバルトさんも、話をしながらも視線はずっとお鍋に向いている。

かまくらの中で食べるのが作法です!と、すぐにでも食べたそうなジンさんに待ったをかける。

いやまあ、本当は普通に室内でも食べる物だけどね。今は黙っておこう。

七輪を使うので念のため、数カ所排気穴を空けてもらい、そしていざ!入室!

皆には狭い入口でも、僕はちょっとかがむだけで潜れる。


「ふわあ!しゅごい!」


かまくらの内側は壁面も、丸い天井もつるつるで、とてもシャベルで掘ったようには見えない。ニッチまである!凄いなリンクス!

地面には()()が敷いてあるからそのまま座ることが出来る。


「ほお〜!こりゃすげぇ!」


「流石に5人入ると狭いな」


「なかなか悪くないな」


「あったけ〜」


驚きながらもテキパキと七輪に火を入れるイワンさんと、鼻を真っ赤にしながら暖をとるリンクス。

ジンさんとテオバルトさんは窮屈そうにしながらも楽しんでる。もちろん僕も!

七輪の上のお鍋から漂う甘い香りと、お餅のジリジリと焼ける音によだれが垂れそうになる。お餅がぷくりと膨らんでいくところって永遠に見てられると思う。

いや、食べるけどね。

持ってきたお椀にこし餡汁粉と柔らかく煮えたお餅をよそう。そしてぷわりと膨らんだ焼き餅をとふりと浸す。ダブルお餅の贅沢汁粉の完成です!

そして1杯目はもちろん、本日1番の功労者に。


「あい、リンクス、どーじょ」


「え、俺から?でも、」


「いいからさっさと受け取れ」


「お前が1番働いただろう」


「あざっす!」


ジンさんとテオバルトさんに促されて、嬉しそうにお椀を受け取るリンクス。続いて、2人にも配る。

全員に行き渡りましたね?それでは皆さんご一緒に


「いたらきましゅ!」

『いただきます!』


「おいちー!」

『美味い!』


「こし餡がスープになるとは驚きだ」


「このバター餅も美味いぞ。甘さと塩っぱさが癖になる」


「うめえー!マジうめえー!」


「餅のおかわりも、つぶ餡のお汁粉もまだまだあるぞ」


はふはふと息をしながらお汁粉を食べる。さくりと焼けたお餅の表面に汁粉が染み込んで、柔らかくなる。はくりと歯で挟むとみょいんと伸びる。

煮込まれたお餅はとろりんと柔らかく口のなかで、ぷにゅるりとした食感で楽しませてくれる。

皆、鼻を真っ赤にしてお汁粉に夢中になってる。

うんうん、これぞ雪の日の正しい楽しみ方だね!


こし餡でもつぶ餡でもお汁粉は美味しいし、お餅は煮ても焼いても美味しい

何をどう組み合わせても美味しい

そして肥える←

皆様はお汁粉はどっち派ですか?


今日も読んでくださる皆様に感謝します

ありがとうございます


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