クリスマスプレゼント4
部屋に入って正面にあるのは3つ並ぶ大きなアーチ窓。パステルグリーンのロールアップカーテンがかけられている。
壁は淡いクリーム色で、木と小鳥が描かれてる。可愛い!
床は淡いレンガ色のハニカム模様。ところどころに犬さんやくまさん、色んな動物やお花が描かれてる。可愛い!
窓の下にある大きなシンクは大理石のようなつるりとした石製で、鈍い金の蛇口が付いてる。
シンクの隣にはタイル貼りのちょっとした作業スペースがある。あ、色違いのタイルでうさぎさんのシルエットを作ってある。可愛い!
反対側には何やら紋様の刻まれた丸い天板が2つ、はめ込まれている。
これってチョコレート作りの時に見たやつだ。IHクッキングヒーターみたいな魔道具のはず。
左の壁際には白を基調とした木目の美しい棚があり、瓶に詰められた小麦粉や砂糖、抹茶やチョコレートなどの製菓材料がずらりと並べられている。
棚の隣には冷蔵庫が置いてあり、中にはバターやミルクが入っている。
右の壁際に並んでる棚にはオーブンと、キュウちゃんがどんと鎮座している。この部屋のボスのような存在感だ。
可愛い鳥さんの形のハンドルが付いてる引き出しにはクッキーやケーキの型がたくさん入っている。
他にも僕の手にぴったりのサイズの調理器具がいくつもある。
壁掛けフックは、ねこさんをモチーフにしていて、くるんと上向いた尻尾には泡だて器やヘラ、小さな鍋がぶら下がっている。
どの道具も、握り手には滑り止めのためか、蔦模様が彫り込まれてる。
そして部屋の中央にある大きな一枚板の作業台。光って見えるほど磨かれている。
扉側を振り返ると、アンティークな書き物机と椅子が置いてある。ここでレシピを書くのもいいだろう。
反対側にはポールハンガーがある。かけられている木製ハンガーにはハムハムやリスさんが彫られている。これも可愛い!
てゆーか全部可愛い!この部屋の全てが可愛い!
「きゃー!」
部屋中を見て、漁って、ひとつひとつ調べる度にきゃー!だの、ひゃー!だの、ぴょー!だのと奇声をあげる僕に、我慢出来なくなったのか、ジンさんも大声で笑い出した。
「どうやらお気に召したようだな」
「あい!」
お気に召すどころか!もう僕ここに住みたい!いや、住む!
そう言うとジンさんの笑い声はますます大きくなった。
◇◇◇
ひとしきり騒いだあと、ココアを入れてティーブレイク。
「さっき言ったとおり、ここはお前専用の厨房だ。これからはここでスイーツ作りやレシピ書きをするといい。ただし、もうちょっとデカくなるまで1人での作業は禁止だ。ここには、事前に登録された大人と一緒じゃないと入れないようになってるし、コンロのスイッチも大人じゃないと反応しないように設定されてる。だが、レシピ書きをするだけなら、入室後お前1人が残ることは可能だ。今のところ登録されてるのは俺とアルベルト、イワン、クリス、ベンジャミンの5人だ。誰か追加したい時はイワンに相談しろ。食材の管理はクリスがするから、何かあればそっちに言え」
「あい!わかりまちた!」
いくつかの注意事項を聞いて、良い子のお返事。
ああ、こんなスゴいプレゼントを貰えるなんて!
この感動と感謝の気持ちはどうやったら伝わるだろう。
って考えるまでもないか。どんどん新しいスイーツを作るっきゃないよね!
「ジンしゃん、ありがとごじゃます。いっしょうのたからものでしゅ」
改めて、きちんとお礼を言う。そしてぎゅうっと抱きつく。
今ジンさんがどんな顔をしてるか、見なくても分かる。
胸がいっぱいで、涙が出そうになる。
これから一生、クリスマスがくる度に今日のことを思い出すんだろうな。
ああ、なんて幸せなんだろう。
「メリークリしゅマス!」
明けましておめでとうございます!
長らく続きましたクリスマス編ようやく終了いたしました
クリスマスどころか年をまたぐとは…
辛抱強くお付き合い頂いた皆様に感謝します
皆様良き1年となりますようお祈り申しあげます
本年もどうぞよろしくお願いいたします!




