クリスマスプレゼント2
次はテオバルトさんのにしよっと。
テオバルトさんのは箱じゃなくて白い袋に入ってる。それもめちゃくちゃ大きい。床にぺたんと座る僕とほぼ同じ大きさだ。
葉っぱの刺繍が刺された赤いリボンをほどくと、姿を現したのは、なんと特大ハムハムだった。
たぶん、いや確実にテオバルトさんのお手製だろう。テオバルトさん凄すぎ!
それだけじゃない。色んなサイズの、見覚えのある洋服がいくつも入ってる。
これって僕とお揃いだ!ぬいぐるみ達と双子コーデが出来るってことだね!どれから着せよう迷っちゃうな〜。ありがとうテオバルトさん。
次はベンジャミンさんの。
…チャーリーさんと合同っていうのがちょっぴり不安を煽るけど、ベンジャミンさんを信じよう。
水玉模様の包装紙を開くと、一冊の本と平べったい箱。
本のタイトルは『魔獣全集』…。
こ、こっちの箱の中身は何だろなぁ〜?ぱかっとな。わぁーチョコレートだー。…超リアルな魔獣の形の…。
見える。チャーリーさんが暴走する姿と、ベンジャミンさんがどうにか止めようとする姿が。
ま、まあ、チョコレートに罪はないからね。また後ほどいただこう。そっと箱の蓋を閉じた。ありがとうベンジャミンさん。
いよいよ最後のひとつ、ジンさんの。
花を咥えた白い鳥が描かれた淡い水色の包装紙をそっと剥がすと、金のロゴが入った白い化粧箱が出てきた。
いったい何が入ってるんだろう。まるで予想がつかない。
ドキドキしながら箱を開けると、イワンさんとクリスさんとお揃いの服、つまり、コック服が入っていた。
やったー!これでついに!とうとう!やっと!みの虫卒業だー!
うん、実は今だにね、みの虫スタイルでスイーツ作りしてたんですよ。
けど、これからはコック服でスイーツ作りが出来る!やったー!
って、ん?服の上に置いてあるこの鍵は何かしらん?どこの鍵?
なんだかアンティークな雰囲気の銀製の鍵で、チェーンが付いてる。
首を傾げていると
「そいつは特別な鍵だ」
「ジンしゃん!」
「おはようノア。ずいぶんと広げたな」
「おはよーごじゃましゅ。あい!ぼくのしゅきなものいっぱいでしゅ。じぇんぶたからものにしゅるの」
ベッドに片肘ついてジンさんは面白そうにこっちを見てる。
てゆーかいつから起きてたのよジンさん。
「こりぇ、どこのかぎー?」
「朝飯食ったら連れてってやるから、さっさと準備しろ」
あらやだ、僕ってば顔も洗ってないわ。大変。
ジンさんの言葉に急いで身支度を整える。
赤いチェック柄のシャツに白いセーターを重ねて、緑のパンツをあわせる。
今日のお供は茶色い垂れ耳うさぎのぬいぐるみ。もちろん、僕とお揃いの洋服を着せてある。
ハンカチ、ちり紙、救急セット、ピヨピヨブザー、そして謎の鍵を持って準備完了。
ジンさんの抱っこで食堂へと向かうのだった。




