スイーツかくめい☆ゆめかわギモーブ
ささっ!さささっ!こそこそ。しゅたっ!
ちょろりと壁の向こうを覗く。
敵影ナシ!さささささっ!
気配を消して進むことしばし、目的地にたどり着いた。扉をノックすると部屋の主が迎えてくれた。
「いらっしゃいノア君」
「こんちわーベンジャミンしゃん!」
◇◇◇
クリスマスの話をした時からずっと考えてることがある。
それはズバリ!僕がサンタクロースになるということ!
いやーやっぱりね、この世界にクリスマスを持ち込んだ張本人としてね、全力で盛り上げる義務があると思うんだよね!
サンタクロースになる機会なんてそうそうないし、おもいっきり楽しもう!うひひ
ということで、オペレーションS.C開始!
やっぱり僕からのプレゼントといえばスイーツだよね。
少ない材料で大量に、簡単に作れるスイーツといえば…うーん…あ!ギモーブにしよう!
しかしまだまだ僕1人ではスイーツ作りは出来ない。
だからサプライズをするには誰かの協力が必須だ。
そして今回の協力者がベンジャミンさんというわけなのであ~る!
◇◇◇
ギモーブとはマシュマロのお姉さんであ~る。いや、妹かな?
マシュマロと違って卵白を使わないのでお手軽簡単に作れるのだ。
生の果物をピューレにして使えばより良い感じに仕上がるけど、オペレーションS.Cは極秘任務だからね。悔しいけど、機密保持のために材料と手間は惜しむ方向でいきます。
ちゃんとしたやつは後日イワンさんに作ってもらおう。
材料はこちら!
ジャムとゼラチンと砂糖とお湯。あとコーンスターチ。
今回は苺にオレンジ、ベリーにりんご、4種類のジャムを用意した。
ベリージャムを作って以来、その種類は着々と増えていってる。そして研究所ではパンの消費量が激増している。かんわきゅーだい。
まずはゼラチンを水に浸してふやかしておく。
お次に、ボウルに砂糖とジャムを入れて混ぜる。
ふやかしたゼラチンとお湯も加えたらミキサーの出番!生クリームみたいなもったりとした感触になるまでギュワワー!と混ぜる。
はぁ~ジャムの色が美しい~。
全体が綺麗に混ざったら、バットに流し込み、あら熱を取る。
冷めたら冷蔵庫に入れてしっかりと冷やし固める。
「相変わらずノア君は凄いな。ジャムにゼラチンを混ぜるなんて普通思い付かないよ。ギモーブっていったっけ、いったいどんな仕上がりになるのか楽しみだな」
「んふふ~とってもおいちいでしゅよ」
道具を洗って片付けをしていると結構時間が経っていた。
冷蔵庫からバットを取り出して様子をみる。
うん!いい感じ!
カットしたらくっついてしまわないようにコーンスターチをまぶす。
ふんわりパステルカラーの雲みたいなキュートでラブリーなギモーブが!
「かんしぇー!」
「おおー!」
さてさて、仕上がりはいかがかしらん。お味見は作り手の特権、いや義務ですからね、義務。
指で摘まむとむにるんとした柔らかさが分かる。
ぽいっとお口に放り込めば
「じゅわうま~」
「うっわ美味しい!」
唇にふわりと跳ねて、ぷにるんと舌に吸い付くような、それでいてじゅわりと溶けるような不思議な食感だ。
ジャムの甘さが口に広がってたまりません!
「これで完成なのかな?」
「あい!」
食材用の紙でふんわり包んで、もう一回り大きなペーパーレースで包んでリボンを結ぶ。
このペーパーレースは、リンクスのお母さんであるカレンさんに教えてもらった。我ながら良い出来映えである。えっへん。
ジンさんを筆頭に研究所の保護者の皆、リンクスやナイデルさんの実家などなど、お世話になった人達の分も包むと、かなりの量が出来た。
よーしこれで準備は整ったぞー!
ゆめかわって死語なんですかね…←
クリスマスでございますね
皆様に良い事がありますように
今日も読んでくださる皆様に感謝します
ありがとうございます




