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おおきなともだち

「医務室に行くぞ」


歩き出す強面さんの言葉に、なんだろう、なんだか嫌な予感がするのは気のせいかしらん…


◇◇◇


無言のまま運ばれ医務室についたものの、そこには誰もいなかった。それが予想外だったのか強面さんが固まってしまった。

少し間をおいて、とりあえず椅子におろしてくれたが困っているのが分かる。


「ぼく、ばんしょこもってましゅ」


くまさんリュックから、アルベルトさん特製の救急セットを取り出す。

そしてその中から絆創膏を1枚取り出す。けどこれを使うのは僕ではない。強面さんだ。


「ほっぺたけがしてましゅ。おかおみしぇてくだしゃい」


「問題ない」


「みしぇてくだしゃい」


繰り返すと、観念したのか床に膝をついて、顔を寄せてくれた。

ほっぺたの傷にぺたりと絆創膏を貼る。

そのままじっと見つめ合う。


「たしゅけてくれてありがとうごじゃいましゅ」


「…」


強面さんからは言葉はかえってこないけれど、僕の言葉はしっかり聞いてくれてる。


「ぬいぐるみもありがとうごじゃいましゅ」


「…」


「みんなぼくのだいじなおともらちでしゅ」


「…」


「ずっとあいたかったでしゅ」


「…」


「ぼくのなまえはノアでしゅ。ようしぇーしゃんのおなまえはなんでしゅか?」


妖精さんの正体(名前)をド直球ストレートに尋ねる。強面さんの表情は読めない。けれどその目は暖かい。


「…俺はテオバルト」


「テオバりゅトしゃん、ぼくとおともらちになってくだしゃい」


「…俺でいいのか」


「テオバりゅトしゃんがいいんでしゅ」


「そうか…」


もう1度、そうか、と呟いたテオバルトさんは僕の頭をそっと撫でた。


「ほぉ~ら!アタシの言った通りだったでしょテオ!」


ババーン!そんな効果音と共に現れたのは我らがオネエ様アルベルトさん。その後ろにはジンさんもいる。

どこにいたの?てゆーかどこから聞いてたの?


「ノアちゃんなら貴方の事を怖がったりしない、むしろ仲良くなりたがるって言ったでしょ。例え貴方が指名手配犯みたいな顔に似合わず、花や可愛い物が好きでぬいぐるみ作りが趣味だとしてもね」


アルベルトさん、指名手配犯みたいってひどいな。そこまで強面じゃないよって、ん?ぬいぐるみ作りが趣味?


「ぬいぐるみ、テオバりゅトしゃんがちゅくったの?じぇんぶ?」


驚いて尋ねると、テオバルトさんは渋い顔をしながらも否定はしなかった。ってことはやっぱりそうなんだ!


「しゅごい!テオバりゅトしゃんしゅごい!」


凄い凄いと興奮する僕を見たテオバルトさんは驚いている。

僕の反応に、どうしたらいいのか困ってるみたい。


「これも言った通りだろテオ。ノアはそんな細かいことは気にしないって」


「…普通の人間はおかしいと言うぞ。俺みたいな大男が女子供みたいな物が好きで、ぬいぐるみ作りが趣味なんて」


「ぼくはおもわにゃいでしゅ。じぶんがしゅきなことに、ひとはかんけいないでしゅ」


好きなモノを好きな理由なんてない。ただ好きなだけ。それ以外に言うことなんてある?

それに、自分が好きなモノを好きである事を他人に納得させる必要なんてないよ。

そう言うとテオバルトさんは目を丸くして、それから笑って、そうか、と一言呟いた。

出会ってから初めて見る笑顔はなかなか凄かった。

てゆーか今さらだけど、ジンさんもアルベルトさんも最初っから全部知ってたんだね。妖精さんの正体とか諸々。やれやれ全く、してやられたものだ。

でも毎日楽しかったし、大きい友達も出来たことだし、まぁいっか!結果オーライ!


「「ところで、ノア(ちゃん)」」


「う?」


「お前はいったいどこで何をしてたんだ?」


「どうしてこんなに、あちこち擦り傷だらけなのかしら?」


あ、あれ?ジンさん、アルベルトさん?なんだかお顔が怖いですのことよ…?


その後のことはよく覚えていない。



ということで新しい友達が出来ました

ぬいぐるみ作りは何度か挑戦しましたが、満足のいく物を作れたためしがありません←

結果を求めなければ、なかなか楽しいですよ←


これにて妖精編(と言えるのかは微妙ですが)終了です

お付き合いいただきありがとうございました


今日も読んでくださる皆様に感謝します

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