ようせいへのおくりもの1
ちょっとだけ編集しました
ぽかぽかおひさま ひんやりおつきさま きらきらおほしさま ぴかぴかコイン つやつやすいしょう ひらひらレースに ゆらゆらおはな そんなすてきなものが だーいすき
でも もーっと もーっと すきなのは かわいいこ! かしこいこ! つよいこ! やさしいこ!
みつけた! みつけた! かわいいこ!
みつけた! みつけた! かしこいこ!
みつけた! みつけた! つよいこ!
みつけた! みつけた! やさしいこ!
おくりもの なにがいい? なにがいい?
すてきなもの! すてきなもの!
◇◇◇
可愛くて賢くて強くて優しい子…つまり僕だね!
エリックさんのくれた絵本をぱたりと閉じる。
妖精の出てくる絵本は何冊かよんだけど、好物についてはだいたい同じようなことが書かれてる。
自然にあるものや、古い物、かわいい物がお好みのようだね。
まあ、真偽のほどは分かんないけども。
とりあえず妖精さんの姿が見られるように、おもてなしの品を用意しよう。
そしてあわよくば仲良くなりたい!メルヘンの代表、妖精さんとお友達になりたい!
その日から僕は『妖精さんへの贈り物』を集めだした。
まずアルベルトさんにお願いして、可愛いデザインの箱を譲ってもらった。(愛用の基礎化粧品が入ってた箱だそうです。さすがアルベルトさん)
中庭で見つけたぴかぴかのどんぐり、ふわふわの鳥の羽、満月みたいなつやつやの小石、虫食いの無い大きな葉っぱに、なんか良いカンジの木の棒。
それから、おじいちゃんとオリバーさんに貰った古いモノクルと綺麗なインクの空き瓶、それからワインボトルのコルク。
コルクって意外にも可愛いデザインの物があるんだよね。僕もリンゴジュースのコルクを貰った。
それからお花。草引きのお手伝い賃として1輪だけ貰う。
そうやっていろんな物を集めて、いよいよ本日!医務室のベッドの枕元に箱を置く。
さてさて、妖精さんは来てくれるかな?
わくわくドキドキ。興奮して目が冴える。眠れないと思ったけど、アルベルトさんに布団をポンポンされるとあっという間に眠りに落ちた。すやぁ。
◇◇◇
ぱちり。
目を開けると、そこにいたのオレンジ色の花を持ったうさぎのぬいぐるみだった。
慌てて枕元の箱を見ると、一番上に置いてあった花がなくなっていた。
「やったー!」
来てくれたんだ!僕からの贈り物を受け取ってくれたんだ!やったー!
「どうしたのノアちゃん?」
「アルねえしゃま!ようしぇーしゃんきたの!」
うさぎのぬいぐるみと箱をせわしく指差す。
「まあ本当!よかったわねノアちゃん。きっと妖精も喜んでるわよ」
「あい!」
「でもノアちゃん、贈り物を受け取ってもらったこと、あんまり話ちゃダメよ。妖精は恥ずかしがりだから、自分の噂をされるといなくなっちゃうこともあるのよ」
な、なんだってぇぇぇ!?
「そうねぇ、アタシやジンやイワン、所長や副所長くらいなら話しても大丈夫よ」
「あい!わかりまちた!」
しーっ!と内緒のポーズをとる僕を見てアルベルトさんは悶えてる。
妖精さんとお友達になれるかもしれないこのチャンス、逃してたまるものかと燃える僕であった。
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思い当たるふしがある汚い大人になってしまいました←
今日も読んでくださる皆様に感謝いたします
ありがとうございます




