まいすいーとほーむ
トニーさんが頭を下げたのを皮切りに、リンクス、カレンさんも頭を下げた。子供たちはきょとんとしながらも同じようにしている。
「親父さん、顔を上げてください。お袋さん達も。こいつの言う通りだ。親父さん達以外にこの芋は作れない。だからこのスイートポテトを作れるのも親父さん達だけだ。こいつはただ、とびきり美味いスイートポテトが食えればそれだけでいいんですよ」
茶化すようなジンさんの言葉に返事をしたのはリンクスだった。
「ありがとうな、ノア。親父、ノアはこう見えて舌が肥えてるんだ。責任重大だぜ」
「そこまでうちの芋を褒められちゃあ、イモ引くことはできねえな!」
「あんた、ウマイこと言ったつもりかい?全く」
カレンさんがトニーさんの背中をバシッと叩くと、トニーさんは大袈裟に痛いと騒ぐ。そして皆笑い出す。
「親父さん、今後の事はうちの所長が相談にのってくれるだろうから、近いうちに研究所へ来るといい」
「ええ、お言葉に甘えさせてもらいます」
ということで、後日研究所にておじいちゃんと副所長、トニーさん、カレンさん、リンクスの間で話し合いが進められた。
そしてスイーツ研究チームとトニーさん一家で共同開発をするという体で話がまとまった。
そしてトニーさんはさつま芋の直売所とスイートポテトの販売、このふたつで商売をすることを決めた。
話がまとまってからは大忙しだった。
まず1番最初に、あのハゲが余計なことをしないように、農業組合の方に協力を仰ぎ、以前の取引先にも釘を刺しておく。
畑の世話は今まで通り皆で、そしてスイートポテト作りはニコ君が担当することになった。
「畑仕事もすきだけど、料理にも興味あったんだよねー」
と言うニコ君。普段からカレンさんの手伝いもしていたらしい。
イワンさん、クリスさんと一緒にスイートポテト作りの練習をしている。
なかなか気があうようで、楽しそうにしている。
そしてアルベルトさんも準備に参加してる。
見た目にも拘らなきゃ駄目よ!可愛くなくちゃ女子のハートは掴めないわよ!とのこと。まぁ一理あるよね。
ということで、カレンさんの趣味であるペーパーレースを使った包装なんかについて色々話をしている。
畑仕事と平行しての準備は想像以上に大変だったみたい。リンクスは少しでも時間があれば実家に戻って手伝いをしていた。
そうして、全ての準備が整った。
『トニーズスイートファーム』
この国で一番美味しいさつま芋と、そのさつま芋を使った世にも珍しく、夢のように美味しいスイーツが味わえる農場兼スイーツ販売所。
本日開店いたします!
「いらっしゃいませー!国立研究所スイーツ研究チームと共同開発しました新作スイーツ、スイートポテトの販売所はこちらです!どうぞお立ち寄りくださーい!」
「ありがとうございます!芋を5本、スイートポテトを6個ですね少々お待ちください!」
「お待たせしましたー!芋1ケースとスイートポテト10個のお客様ー!」
「お次のお客様どうぞー!」
「れつのさいこうびはこちらでーす!」
「じゅんばんになりゃんでくだしゃーい!」
まず出迎えるのは(黙っていれば)イケメンのリンクス。販売はカレンさん、イル君、ニコ君が担当。トニーさんは倉庫やキッチンを走り回ってお芋やスイートポテトの補充、場合によっては配達も受けるのでその対応。
そして無敵の幼児コンビ!僕とサム君が行列の整理を担当している。
ちびっ子2人に癒されるお客様続出。並ぶ時間が長くても文句を言う人はほとんどいないし、いても他のお客様が自主的に注意してくれてる。
そんな人には僕とサム君の必殺ダブルありがとーをお見舞している。めろめろになる人続出である!ドヤァ!
イモを引く
弱腰とか及び腰とか、要するにひよってるやついる?的な意味合いです←
思った以上にさつま芋回が長引いて困惑しています←
付き合ってくださる優しい皆様に感謝します
ありがとうございます




