むらづくりのはじまりムチ!
レンのおかげでアゴニィの地に安全な拠点ができたムチ。でも、まだまだ瘴気の影響を受けている場所のほうが多いムチ。当面は魔物狩りで食っていくんだからこれでいいムチ!
まずはムチちゃん達の住む拠点をつくるムチ。
「といっても、建築は人手がいるムチなあ……」
「そうだねえ。ムチちゃんにはアテはあるの?」
「ムチムチランドにいるムチ松親方ムチかねえ……こっちの王様がムチムチランドの住人に入国許可を出してくれたから、ちゃんと報酬が用意できれば来てくれると思うムチ」
「団長に聞いたけど、ムチムチランドの建築ってすごく可愛いんだよね。こっちの雰囲気と合わなくない?」
そういえば団長とフレイがそんなことを言っていた気がするムチ。でも大丈夫ムチ。
「ムチ松親方はプロむち。顧客の好みに様式を合わせるなんて楽勝ムチよ」
「うーん、他にアテもないし、そのムチ松親方って人にお願いしようか」
「決まりムチね。さっそく連絡するムチ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
ムチ袋から"もしもしストーン"を取り出してもしもしするムチ。
「もしもしムチムチ。ムチちゃんはムチちゃんムチ。ムチ松親方はいますムチか?」
「はいはいムチムチ。いますムチよ。今かわりますムチね」
「おう、ムチ坊か。どうしたムチ?」
「仕事を頼みたいムチ。場所はクロスガルドの北方にある"アゴニィ"の村ムチ。お願いしたいハコは行政施設と宿泊施設ムチ。できれば外壁と水系のインフラもお願いしたいムチ」
「僻地も僻地じゃねえか、護衛はどうするムチ?」
「マージムチ先生に転移してもらうか、とーちゃん達の誰かに頼もうと思っているムチ……」
「そこまで大掛かりなのは要らんムチ。地元の騎士か冒険者をつけてくれればいいムチよ。大工は多少の荒事だってできるムチ! てやんでえムチ!」
「それなら寄親にお願いして何人か護衛を出してもらうムチ」
「グレイルの所なら信頼できるムチな。で、肝心の報酬はどうムチ? あの酒クズからは宜しくと言われているが、こちとら慈善事業をやってるわけじゃねえムチよ」
「もちろん報酬は支度金から出すムチ。でも、本当の報酬は"経験"と"実績"ムチ。誰も手を付けていない場所でのイチからの町割り。ムチムチランドとは勝手が違う場所での仕事。お弟子さん達にはいい経験になるし、それなりの実績になると思うムチが……」
「わかってるじゃねえムチか。いいムチよ! ムチ松一家がとびっきりのハコを仕立ててやるムチ!」