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ひさびさのせんとうムチ!

ムチちゃんが騎士になるための推薦人集めは無事終わったムチ。でも、このままだとコック兼鍛冶師兼治療師その他色々の便利屋としてこき使われる未来が待っているムチ。


ムチちゃんがなりたいのはむちナイト様のようなつよつよの騎士ムチ! わかりやすい武勲を立てて、周りに認めてもらうムチ!!


「ムチ助、レン、ティア、ここが目的地だ。今回の討伐対象はサイクロップスだ。巨人族でも下の方だから、お前らでも何とかなるだろ。ホレ、行って来い」


二頭立ての馬車で現場に急行してのこの台詞ムチ。良かろうムチ。目にものを見せてやるムチ!


「レン、ティア、散開するムチ。ムチちゃんが壁役をやるから、みんなで撹乱してやるムチ!」

「「了解!」」


まずは注意をひかないとダメむちね。


「ムチ風船の術!」


ムチちゃんはぷくぷくと膨れ上がり、二階建てのお屋敷サイズになったムチ。ムチ袋から巨大化した時のための大きな棒と盾を取り出して構えるムチ。これでもまだ見上げているんだから、あの巨人はどんだけ大きいムチか?


「ムチイイイイイイイイイ!」


続いてウォークライのスキルで注意を引き付けるムチ。今の大きさと相まって、巨人の注意はムチちゃんに釘付けムチ。


「ウガアアアアアアアアア!」


巨人も雄叫びを上げ、両手持ちの棍棒をムチちゃんめがけて振り下ろしたムチ。慌てずムチちゃんは盾で受けるムチ。ものすごい衝撃は大地に流すムチ。この程度じゃあ、ムチちゃんは小ゆるぎもしないムチよ!


「朧」

「飛翔烈風剣」


レンとティアがものすごい跳躍で首筋を狙うも──


「ガアッ」


巨人が身を引いて躱してしまったムチ。

こいつ、やるムチ──


「こいつ結構やるムチ! おそらくロード級──あの何かの間違いで人間をやっている団長、自分の基準で討伐対象を選びやがったムチ!」

「ひどい話だね──わかった。堅実に末端から攻めるよ」

「ムチちゃんが従士の仕事をしとる間にも、ウチらはしっかり修行しとったんやで。ウチらなら勝てる!」

「ムチちゃんも全開で行くムチ! ──びりびり剣!!」


一瞬たりとも気の抜けない戦闘は、五時間にも及んだムチ。



◇◇◇◇◇◇◇◇



「今回ばかりは死ぬかと思ったムチ……」

「本当にね」

「ホンマやわ。でも、あの巨人討伐、えらい武勲になるらしいで」


ムチちゃん達は闘いを終え、部屋で反省会をしていたムチ。今回の闘いはこれまでの中で一番つらかったムチ。単純にデカいは強いというのを思い知ったムチ。


「全員生きてるか。さすが俺の騎士団の団員だ。みんな強いな!」


ものすごくいい笑顔で団長が入ってきたムチ。このおっさん何しに来たムチか?


「おっさんとは随分だなムチ助。これでも労いに来てやったんだぞ」

「あれ? ムチちゃん喋ってないムチよ??」

「お前はわかりやすいからな、カマかけただけだ。俺も忙しいからさっさと用件だけ言うぞ。ムチ助の叙任の日が決まった。中途半端に日が空くから、ムチ助、里帰りでもして来い。お前もムチムチランドじゃなくてクロスガルドの民になるんだからな。挨拶はしっかりしとけよ」


ムチちゃん、ついにこの国の騎士様になるムチね!


「わかったムチ。移動も含めるとあんまり時間がないけど、家族とおうさまにはしっかり挨拶してくるムチ」

「よし、俺はさっさと風呂に入って寝るからな」


そう言うと、団長は扉を開けて部屋から出ていったムチ。本当に用件だけ告げに来たムチ……って、いつの間にかテーブルの上のお菓子がないムチ!


あのおっさん、最初からこれが目的だったムチ……

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