にんむかんりょうムチ!
「で、ムチ助は仕事を無事引き継いで帰ってきたと。うむ、ご苦労。先方はそりゃあもう喜んでいたぞ」
村の復興が軌道に乗った時点で、ムチちゃんは元々の領主さんにすべてを引き継いで戻ってきたムチ。ムチゼニーおじさんはもう少し残ってくれるので、たぶん大丈夫ムチ。
団長に報告していたら、レンとティアもやって来て、なし崩しでお茶会のようなものが開催されてしまったムチ。
「ムチちゃんも久しぶりに鍛冶ができて嬉しかったムチ。これで推薦人はバッチリむちね!」
「ああ、"推薦人は"バッチリだ」
ん? なんか引っかかる言い方ムチね。
「ムチはん、鍛冶上級かー。ゼフの親方が『負けてられねえ!』って張り切っとったで」
「すごいなー、ムチちゃん。内務ができるなら、ボクが領地に戻ったときに与力として手伝ってよ」
「ダメむちよ! 領地経営は領主が主体でやるべきムチ」
「厳しいなあ……少しくらい手伝ってくれてもいいじゃない?」
「まあ、少しぐらいなら……いいムチよ! ──ところで団長、"推薦人は"ってどういう意味ムチか?」
「あ、ああ。推薦人は問題ないんだが、ムチ助の所属が……その……貴重な技能持ちを死にやすい戦場には送り出せないってな……」
団長らしからぬ物言いムチ。歯に物が挟まったような、はっきりしない感じムチ。
「団長、はっきり言ってほしいムチ!」
「しょうがねえなあ。はっきり言うと、ムチ助の価値が高すぎるんだ。それこそ『騎士なんてヤクザな商売に就かせるなんてとんでもない』って宮廷雀どもが囀ってやがるんだよ」
がびーん。何たる仕打ちムチか。
何かあったときのためにと色々な技術を身に着けたら、その技術に足を引っ張られるなんて……ひどい話ムチ! ムチちゃんお怒りムチ。
「腹の立つ話だろう? どうだ、ムチ助。ピーチク囀る雀どもの鼻を明かしたくねえか?」
団長が意地の悪そうな顔で笑っているムチ。
「上等ムチ! つよつよなムチちゃんをアピールしちゃうムチよ!!」
「よく言った。あと、レンとティアも随行しろ。最近出番がなくて弛んでるみたいだからな」
「久々にムチちゃんと一緒に戦えるね」
「ウチもおるさかいな。よろしゅう頼むで」