おもてなしムチ!
ムチちゃんはレンとおはなしたムチ。ムチちゃんは特に行きたいところはないので、レンについていくことにしたムチ。旅は道連れムチ。
このまま街道を進んでいくと、3日ほどで村に着くムチ。そこでできれば補給がしたいムチ。二人でムチムチ歩いていると、やがて日がくれたムチ。
野営の時間ムチ。いよいよムチちゃんの魔法のおうちが大活躍ムチ。レンにも入ってもらうムチ。魔法のおうちのはじめてのお客さんムチ!
「ムチちゃんは~ お料理名人ムチ~ おいしいお料理つくるムチ~」
「ム、ムチちゃん? これ、魔法のコテージなんてどうしたの?」
「ムチフフフ、このお家はムチちゃんの魔法のおうちムチ。トイレ・風呂・キッチン付きムチよ。今、ごはんを作るから、ちょっと待っていて欲しいムチ。スライムから助けてくれたお礼ムチ。遠慮しなくてもいいムチよ!」
ムチちゃんはムチ袋からパンの素とスープの素を出したムチ。パンの素は、お水と一緒にこねてから窯で焼くだけでふっくらおいしいパンができる便利アイテムむち。スープの素はもっと簡単で、お湯に溶いてしばらく温めれば出来上がりムチ。すっごい便利なムチムチランド自慢の品ムチ。
「ごはんって、何してるの?」
「台所でふっくらパンを焼いているムチ。あと、保存食を戻した具沢山スープを作っているムチ。本当なら、もう一品二品加えたいところだけど、残念ながら材料が足りないムチ。申し訳ないムチ。食後に干した果物をつけさせてもらうムチ」
「ムチちゃんってムチムチ族でもえらい人なの? こんな魔法のコテージ、はじめて見たよ」
「ムチちゃんはただの村人ムチ。でも、王様からムチムチ大使に任命されたムチ。今はムチムチ大使のムチちゃんムチ!」
「ムチムチ大使! ボクも少しだけ知ってる。いろんな国で食料の支援をしたり、技術や文化の交流を促進したりしているんだよね」
「そうムチか。おうさまからお願いされたこととだいたい一緒ムチね」
「ムチちゃんはムチムチ大使のお仕事でこっちに来たの? この辺は街道でもスライムぐらいは出てくるんだから、気をつけなきゃダメだよ」
「面目ないムチ。ムチちゃん、スライム一匹や二匹ならなんとか追い払えるけど、あんなにいっぱいのスライムとは戦ったことがなかったムチ。こんなよわよわじゃあ、つよつよの騎士さまになれないムチ」
ムチちゃんしょんぼりムチ。でも諦めないムチ。ムチちゃんは頑張ってつよつよになって、ムッチムチの騎士さまになるムチ!
「パンが焼きあがったムチ。すぐ支度するムチね」
いい匂いムチ。この魔法のおうち、いい窯がついているムチ。火力が素晴らしいムチ。スープのほうもいい感じムチ。
「できたムチ。ご飯にするムチ~。お話の続きはご飯を食べてからにするムチ」
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ムチちゃん、かーちゃんのお手伝いで鍛えられているから、料理はけっこう得意ムチ。なんと、調理上級スキルがあるムチよ!
パンとスープに干し果物のシンプルメニューだけど、ところどころ工夫もしているムチ。我ながらよくできたムチ。レンもおいしそうに食べているムチ!
「おいしい! すごいよムチちゃん、ウチの料理人に負けないくらい。旅のあいだはマズい保存食だったけど、今日の食事は屋敷で食べる料理ぐらいおいしいよ!」
「ムチフフフ、照れるムチなあ。でも、すごいのはムチちゃんの腕じゃなくて、ムチムチランドの食材とノウハウむちよ」
「これ、黒パンなのにふっくらしてるし、ほのかな甘味までついてる」
「はちみつを少々練り込んだムチ。お礼だから奮発したムチ!」
「スープも塩だけじゃない、複雑な味付けがしてある。ホントにおいしい!」
「こんなので良かったら、袋のなかにいっぱいあるムチ。スープの素はいろんな味付けがあるムチ。鍋があれば作れるから、ちょっと分けてあげてもいいムチよ!」
「本当! パンのほうは窯が必要だから旅には向いていないけど、スープのほうはみんな欲しがると思うよ。本当にいいの?」
「いいムチよ!」
想像以上にムチムチランドの食材が受けているムチ。ムチムチランド以外ではどんなものを食べているか、ちょっと興味が湧いてきたムチ。今度調べるムチ。
「あの、ムチちゃんからもお願いがあるムチ」
「え、なに?」
ムチちゃん、立ち上がって居住まいを正したムチ。
「ムチちゃん、騎士さまを目指してはいるけど、ご存知のとおりよわよわムチ。今のままだとムチムチ大使としての勤めも果たせないかもしれないムチ。だから、ムチちゃんに戦い方を教えてほしいムチ。もちろん、お礼はできるかぎりするムチ。ムチちゃんがレンについていっても、いいムチか?」
レンはしばらく黙っていたけど、
「ボクも騎士になるための旅をしているんだ。騎士爵の爵位は持っているけど、騎士として実力をつけて本物の騎士になりたい。そのために、王都のグレイル騎士団で修行を積もうと思ってる。ムチちゃんも騎士になりたいなら、ちょうどいいんじゃないかな」
「い、いいムチか?」
「うん、いいムチよ!」
「うれしいムチ! やったムチ! ムチちゃんレンと一緒ムチ!」
ムチちゃん、うれしくて、ぴょんぴょんしたムチ。食後のおかたづけの後はお風呂を沸かして、一緒に入ったムチ。
レンは女の子だと思ったら男の子だったムチ。