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ムチドクせんせいムチ!

昨日はひどい目にあったムチ。あれから団長とフレイを来訪者用のムチホテルに案内したムチ。


人間さんはムチムチ族よりもずっと大きいから、専用の部屋が必要ムチ。お貴族様だってご満足いただけるとっても快適な部屋ムチよ。


二人を案内した後は、ムチちゃん、ひさしぶりに実家に帰ったムチ。お尻たたきの罰を受けたって話したら、かーちゃんがほっぺたをしゅりしゅりして慰めてくれたムチ。とーちゃんも、痛いの痛いのとんでけー、ってお尻をさすってくれたムチ。



◇◇◇◇◇◇◇◇



ムチドク先生と約束した時間が近づいてきたので、二人を迎えに行くムチ。二人ともムチホテルの入り口にいたムチ。団長はぜったい寝過ごすとおもっていたけど、きっとフレイが起こしたムチね。


「やっと来たか、ムチ助」

「おはよう、ムチちゃん」

「おはようムチ。ムチホテルの泊まり心地はどうだったムチ?」

「メシと風呂と寝床は最高だったぞ。ただ、内装の趣味は、まあ、女子供なら喜びそうだな」

「そ、そうですね……」

「そうムチか……渋めの内装、できれば主要国の趣味に合わせた部屋も準備するよう、おうさまにお願いしておくムチ」

「是非そうしてくれ」

「わかったムチ。今から歩いていけば時間もちょうどいいムチ。出発ムチ~」


ムチちゃんたちは三人でムチムチ歩きはじめたムチ。


「ついたムチ~」

「白い建物で大陸共通の"命の紋章"が看板。解りやすくていいな」

「ムチドク先生~ ムチちゃんたちが来たムチよー」


扉が開いて、白衣をまとったムチドク先生が出てきたムチ。


「おうおう、来たムチか。で、患者さんは……と、そこの人間さんムチな」

「フレイと申します」

「話はムチちゃんから大体聞いているムチ。"まりょくあめ"で魔力が流れるなら、経絡は完全に死んでいるわけじゃないムチ。ここに来たということは、根治を目指しているという事ムチか?」

「そうムチ。フレイは子爵家の令息ムチ。騎士として戦える肉体を取り戻しに来たムチ!」

「そうムチか。言っておくが、このムチドクの治療は少々厳しいムチよ。覚悟はいいムチか?」

「はい……じゃなくて、いいムチよ!」

「合格ムチ。ここから先は長い話になるから中でやるムチ。ムチちゃんたちも中に入るムチよ」



◇◇◇◇◇◇◇◇



「粗茶ムチが、どうぞムチ」


ムチドク先生が人数ぶんのお茶をいれてくれたムチ。特級持ちのかーちゃんにはだいぶ劣るけど、じゅうぶん合格点ムチよ。


「さて、お互い時間もないし、核心から話すムチ。フレイ君の根治は可能ムチ。ただし──色々と越えなくてはいけないハードルがあるムチ。たとえ話ムチが、ポーカーで負けられない勝負しているときに、手札がブタだったとするムチ。どうするムチ?」

「一か八か、手札をすべてチェンジします」

「「机の下に隠しておいたロイヤルストレートフラッシュで華麗に勝つ」ムチ」

「フレイ君は純粋でいい子ムチね。それに比べてムチちゃんは汚れちゃって悲しいムチ」


仕方ないムチね。グレイル騎士団の行儀の悪さと言ったらそりゃひどいもんだったムチ。ムチちゃんもお駄賃をむしられないよう、生き汚くなるしかなかったムチ。


じっさい、休憩時間に賭け事に興じるのは男所帯ならよくある話ムチ。でも、あそこまで本格的に何でもありな場所は他に知らないムチよ。


「まあ、騎士なんて言ってしまえば戦争屋ムチ。どんなことをしても勝つという覚悟が必要な職業ムチよ。今回の治療も、そのどんなことに当たるムチ。ちょっと危ない橋を渡るムチよ」

「ムチドク先生、どういう事ムチか?」

「生命の危険はないムチが、宗教的に危ない橋ムチ。これも患者のため、仕方ないムチねえ」


ムチドク先生がにっこりと笑ったムチ。ちょっと怖いムチ。


「フレイ君の魔力器官は常に枯渇状態にあるムチ。これを何とかするには外部から魔力という栄養を与え続けなくてはならないムチ。食材はなるべく栄養価の高いものがいいムチ。ぶっちゃけると魔物ムチ。魔物は教会では穢れと忌み嫌われているムチが、食べてみると結構おいしいムチよ。魔力たっぷり、栄養満点ムチ! 今のフレイ君に望むのは清濁併せ呑む覚悟ムチ。バレたら教会にめちゃめちゃ怒られるけど、なに、バレなきゃ大丈夫ムチ」

「い、家に累が及ばないのであれば……」

「なーに、安心するムチ。今の法王さまはウチのおうさまと飲み友達ムチ。最上級のムチムチワインとムチムチーズで買収できるムチよ。心配いらないムチ!」

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