しんぱいムチ!
心配ムチ。ああ、心配ムチ。
申し遅れましたムチ。私、ムチちゃんの父親のムチ太郎と申しますムチ。あの日、ムチちゃんを送り出してからというもの、妻ともども毎日こんな調子ですムチ。
「ムチちゃんは元気でやっているムチかねえ……」
「大丈夫ムチよ、きっと……ああ、でもやっぱり私も心配ムチ……」
ムチちゃんは我が家の太陽ムチ。その太陽がなくなってしまったら、我が家はこんな感じになってしまうムチよ。
「相変わらずじゃのう。そんなんじゃ毎日のメシも美味く喰えんムチよ」
師父! 神出鬼没のムチ仙人様が我が家にやってきたムチ。
「これはこれは師父、本日はいかなる御用で」
「ムチちゃんが壁にぶつかっておったからの、ちょいと助言をしてきたムチ。お主らにも伝えておこうと──」
「「ムチちゃんは、ムチちゃんは元気でしたか?」」
「ちょ、ちょっと、二人とも近いムチ。離れるムチよ」
思わぬところからムチちゃんの情報が出てきて焦ってしまったムチ。冷静になるムチ。
「失礼、師父──それで、ムチちゃんはどうでしたか?」
「元気にしとったムチよ。人間の、ほれ──あのグレイルのところで修行しとったムチ」
王剣グレイル……人類最高峰の剣士ムチか。ムチちゃんの加護から考えたら、バイゼルのほうに行くと思ったムチ。意外ムチね。
「ムチちゃん、怪我はしていなかったムチか?」
「ムチ子さんも安心するムチ。怪我なく元気にやっておったムチよ」
「ありがとうございますムチ……」
ムチちゃんの無事が確認できて、胸のつかえがとれたムチ。ムチ子も落ち着きを取り戻したようムチ。
私もムチちゃんに会いたいし、ムチ子と一緒に様子を見にいくムチ。決めたムチ。