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ごはんかくめいムチ!

調理部隊長となったムチちゃんは団長と打ち合わせをすることになったムチ。レンとティアも付き添ってくれたムチ。うれしいムチ。


「今のお駄賃でやりくりすると、主食は芋またはふっくら黒パン、それにスープ、メインは肉か魚料理が一皿ってところムチね」

「ムチはん、ふっくら黒パンってなんや?」

「ああ、重曹を使ってちょっとふっくらさせた黒パンむち。カチカチじゃないムチよ」

「へえ、そんな料理があるんだ」


白小麦とイーストを使ったとってもふっくらパンは貴族の食べ物ムチ。ハレの日以外は節約するムチ。ふっくら黒パンだって、干した果物と食べたり、ハチミツを練り込んだりしたら、ちょっとしたご馳走ムチよ。


「あと、甘いものは特別な日か、一週間に一回くらいがせいぜいムチね」

「甘味はええなあ」

「うん、いいよね」


レンとティアが嬉しそうにしているムチ。二人とも、甘い物が好きだからムチね。


「それに、ムチちゃん一人だと、手間をかけた料理を作る時間がないムチ」

「ムチちゃん、みんなにもっとちゃんとした料理を味わってほしいムチ!」

「──じゃあ、助手を募ったら?」

「ムチ坊のスキルは上級だぞ。そのアシストとなると、最低でも中級持ちの一端の料理人だ。雇うとなると金が足りん」

「そっか……」

「当面はムチ坊の時間を確保するしかねえな。その特別な料理を作る日は休みにしてやるから、存分に腕をふるえ」

「ここまでしてやるんだ。手間をかけた料理ってのが美味くなかったら承知しねえぞ」

「もちろんムチ。その時はムッチムチの皿たちに驚くがいいムチ!」



◇◇◇◇◇◇◇◇



打ち合わせから数日が過ぎたムチ。そろそろみんなに手間をかけたおいしい料理を振る舞いたいムチ。団長に相談したら、「いいぞ」って言ってお駄賃をくれたムチ。今日は市場でお買い物ムチ。


ムチちゃんは市場に着くと、さっそく品定めを始めるムチ。さすが王都ムチ。なかなかの品揃えムチ。


ムチちゃんはムチコック先生に王都でオススメのお店を聞いておいたムチ。市場調査にぬかりはないムチよ。


ひときわ繁盛している露店……見つけたムチ!


「おじさ~ん、これとこれくださいムチ」

「おやおや、そのムチムチしたフォルムはどこかの妖精族の子供かな? おつかいえらいねえ」

「ムチちゃんはムチムチ族ムチ。もう一人前ムチよ!」

「そうかい、そいつは悪かったね。一個おまけしておくよ」

「あ、おまけはその隅にあるちょっと潰れたやつでいいムチ。どうせ潰して使うから問題ないムチ」

「おっと、お客さんに気を遣われちまったな。これからも贔屓にしてくれよ」

「わかったムチ~」


それから何か所か回って、何とか予算内で材料を買い揃えることができたムチ。ムチちゃんってば買い物上手ムチ!



◇◇◇◇◇◇◇◇



食材を買い込んだら仕込みの時間ムチ。今回ははじめてということで、同じ分隊のレンとティアに手伝ってもらうムチ。


「今日はムチちゃんのスペシャルメニューむち! 手伝ってもらいたい内容はそこの羊皮紙にまとめたからよく読んでほしいムチ。報酬は今日のメニューのお替わり券だからがんばってほしいムチ!」


今日は本格的なコース料理を出すムチ。あらかじめレンにこの国の形式は聞いたから、ムチちゃん流をそれに合わせるムチ!


今回作るのは、突き出し、前菜、スープ、魚料理、口直し、肉料理、サラダ、チーズ、甘い菓子、果物、それに焼き菓子ムチ。


帽子とエプロンとマスクをつけたら、調理スタートむち!



◇◇◇◇◇◇◇◇



「ムチはん、相変わらずすごいスピードで仕込みをしてはるな」

「上級持ちってすごいよね」

「ムチムチムチムチムチムチムチムチィィィ!」

「素材が宙を舞って──あ、ボウルに全部入った」

「人間離れしるねー」

「そら、ムチムチ族やからな」

「あ、ムチちゃんが光りだした」

「奥義、ムチ分身の術──ッ!」

「あれ? ムチちゃんが3人、4人いる!」

「あれはブンシン・ジツ! ウチもまだ使えんのに……」

「ボクたちも作業に戻ろう……あれは次元が違うよ」

「せやな……ウチらは自分の仕事を全うしよ」


ムチちゃん、久々に腕をふるえるのが嬉しくて、奥義まで使ってしまったムチ。二人も頑張ってくれたので、なんとかディナーに間に合ったムチ。

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