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BETCHES  作者: マクロ朝ごはん
6/6

06.はじめてのかいだしinTexas with ユズ

挿絵(By みてみん)



ドンドン!!


凄まじい足音で目が覚める


まだめきってない脳みそをフル回転させる


…まさか…また襲撃!?

いやまて…ここはアメリカだろ…


おそるおそるドアを開けると

ジョギングをしてるのかタッキーが廊下を往復してる


いっきに緊張がとけて床に座り込む


「おうモブ。立ちくらみか?」


せめて忍び足でジョギングしてよ


「ううん。タッキーの足音にびびっただけ」


タッキーは鼻で笑ってプロテインを取りに行った


すると向かいの部屋のドアが空いて舞香が出てきた


「あの陽キャほんとに早起きだよな…ジジイかよ」


目を擦りながらぶつぶつ言ってる

寝癖がぴょこぴょこ揺れている


「おははう〜モブ…」

あくびしてるから発音できてない

彼がゆうには昨日遅くまでアニメを見てたらしい

どうやってあの時差ボケで起きれていたんだよ…


彼の部屋を覗くと

でっかいテレビがベッドの向かいに掛けてあり

漫画が詰まった本棚が二つ置いてある


どうやって揃えた!?



声が聞こえたから舞香と一緒にリビングへ


リビングには6人くらい集まっている

アヤにタッキー、ユズ、マクロが談笑している

オノとクララはオセロしている


だからどうやって持ってきた!?


プリンは何か作っているのかキッチンを

うろちょろしている

甘い香りが漂う


舞香「うわ俺…この陽キャムード嫌い…」

そう言ってソファに座り、4人の会話に加わった


マクロがこっちに気づくと

「いつもこんな感じだよ。

今まさにここにいる人達が朝型。

逆に今いないメンバーは朝に弱い夜型の人たち

てんてんいないときとか

ジャムが早い時とかもたまにあるね」


舞香のあだ名はてんてんと言うのか

元ネタが気になる…


「できた〜。パンケーキ食べる人〜」


そのかけ声を合図にみんな立ち上がりキッチンに群がる


「バターは冷蔵庫にあるよあやりん」


「あぁメイプルシロップはテーブルに置いとくよん」


戦犯とか言われながらもプリンは欠かせない存在だ


「ちょっとやめてよタツキ!なんでパンケーキなのに

プロテイン飲むのよ!コーヒーか牛乳でしょ?」


ユズは呆れている


「まあまあ…タツキは重要なファイターだからね」

アヤがシロップをかけながらなだめる


みんなが喋っているのにマクロやオノは

テレビのニュースに夢中だ


「新聞取りたいな…

今日ジャムと市役所に申請しに行くから

あいつ起きたら言っといて」


テレビを見たまま呟くマクロ


「申請ね…それは良い言い方。俺なr…」


プリンはアヤの「今はやめとけ」ジェスチャーに気づいて途中で言うのを辞めた。


賢明だな。


パンケーキは以外と美味しかった

久しぶりに食べた朝食に涙が溢れそうだった


ユズ「モブはこの後どうするの?」


初めて声かけられたと言っても過言ではない


「えっ、あっ…何も…」


いきなり話しかけられて戸惑う

目が泳いでしまっているためか僕の視界に入ろうとユズは顔を右往左往させている


「ちょっとあんたもりあるパターン?

顔を合わせるぐらい何もないじゃない」


腕を組んで少し笑うユズ


「ちょっとつきあってよ。今から買い出しするの」


なんで僕が誘われるの!?


断れないまま身支度をして外に出た

ユズは普段チャイナ服っぽいものを着ている


でも今はラフなパーカーとジーパン

見慣れないのか違和感が否めない


「今日はあたしが当番なの。

そうよ。海外で買い出しに行くバカ1号が私なの」


皮肉を言うために僕を誘ったのか?


「ジャムに暗示かけてもらった?

それとも案じなくても喋れるの?」


正直ジャムにやってもらうのは心苦しかった。

僕以外に3人ぐらいに先に暗示をかけていたジャムは

その時点で喉がカッスカスだった

かろうじて喋れる状態で一度はやっぱ良いと言ったが


「どうせいつかはかけるから今やろう」と

ガラガラの声で伝えてきたのでやってもらった


のど飴があったらそれも買っていこう。


「なんで僕なの?」

とうとう聞いてしまった大きな疑問


一歩前を歩いていたユズは振り返り

「だって全然話してこなかったんだもん!

私の力が怖いの?」


勢いに押されて後ずさりしてしまう


「いやいつもこうだよ僕。

さっきリアルパターンって言ったよね。多分そう。

コミュ障なんだ…」


恥ずかしくて下にうつむ


「みんなとは普通に喋ってるよね?」


さらに増す勢いに負けていられない

一歩前に踏み出し


「それはみんなから先に喋りかけてきたからだよ!」

と言い切った


少し引いてるユズ


「あぁ…そう…じゃ、よろしく」


さっきまでの威勢はいずこへ…


「ただ…私はあなたの力と相性が悪いじゃない?

だからそれを気にして近寄ってこないのかと…」


近寄れない理由は力より性格に…


「いやそんなことないよ。

第一に僕、君の力のこと一切知らないよ」


また2人で歩きだしながら弁解する


「え。言ってなかったっけ?

私の力は火を生み出して使うの。

だから草を生やすあなたとは合わないじゃない?」


うん誤解を招く言い方やめなよ…

てかとうとう火属性ヒロインきてしまったか…

いやヒロインとはかけ離れている…


5ブロック歩くとスーパーマーケットが見えてきた

ジャムのおかげか看板の文字がスラスラと頭に入ってくる


このマーケットのキャラクターか何かなのか?

不気味な青いウサギの巨大な像が入り口に立っている



挿絵(By みてみん)



「うわこれ誰が考えたのよ…」


全くの同意見だ


店内に入ると人で賑わっている

以前の僕なら誰が何を言ってるのか理解できてなかっただろう

今は聞こえてくる英語が手に取るように分かる


それに突っ立っていた僕を押して


「はやくすませるよ」とユズ


手分けして商品を探すことになった


僕は一通りの生活必需品をカートに入れて歩いていた


ある疑問が浮かび上がる


お金はどうするのだろうか…?


食品をとってきたユズに聞いてみた


「お金ってもしかして盗んでたり…?」


眉をひそめて


「な訳ないじゃん。ジューダグって御曹司なのよ

だから彼に支援してもらって生活してる

支援って言ってもマクロが住居は作れるから

食べ物とかティッシュとかだけだけどね」


ジューダグってホント何者なんだ?


「彼はメンバーじゃないんでしょ?

ここにこないの?」


カートを押しながら横を向く


「彼はマクロにメロメロだからね。私たちの事情を知ってる味方側の一般人ってとこかな。まあここに来たがってるけど、マクロが日本の情報も欲しいから

あと少しそこにいとけって止めてる」


早朝にマクロが日本大使館でその金を換金したらしい


レジで商品を通して思い荷物を持ちながら退散する


きた道を折り返して帰っていると

いきなりリアルの声が聞こえてきた


「マクロ、ユズ…次のブロックを左に!」


それを聞いて戸惑う僕に対してすぐさま走るユズ


やっぱ経験値が違うんだよ


ユズについていって左にまがる


ユズ「りある何?サッチャー?警察?」


走りながらよく息切れしないな…


「警察が巡回してる

もしかしたらアメリカのサッチャーかもしれない

明らかに風貌が違うよ。みたら分かる!」


絶対絶命パート2きちゃぁ!


袋の中のじゃがいもが一個落ちたのなんてお構いなし


「そこで止まって!」


りあるの合図で急ブレーキをかけるユズ


「前からパトカー…後ろからも覆面パト…

包囲されてるよコレ…!」


リアルが焦ってるのが分かる


「…やばいかも…ユズ…最終手段おーけー?」


「嘘でしょ?ちょっと誰かこっちによこしなさいよ!」


ユズはもっと焦っている


なぁんでこうなるかなぁ……!


その時前にパトカーが走ってきて急ブレーキをかける

後ろにも黒い乗用車が止まり中から警察が出てきた


5、6人がユズと僕を包囲する


ユズ「っもうホントに最悪!」


すると包囲してる警察は全員制服を破りはじめた

見えてきたのは黒と白のモノクロの防護服 


デザインは日本でみたサッチャー達に似ている


「ユズ!やって良いよ!


そいつら…この国のサッチャーだよ!」


リアルがテレパシーで伝える。


マジで?どこにでもおるやん!!


しかし僕はあることに気づいた


背中の方がチリチリ熱い


後ろを振り返ると

さっきまで背中合わせで立ってたユズが燃えていた



あっ…そう言う感じ…?






















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