白い花
白い花に水をやりにくる人間が一人いた
人間は白い花に来る日も来る日も水をやりにきた
ときどき肥料もくれた
他にも水をやりにくる人間もいたが
白い花は何も感じなかった
だが、その人間が来る日だけは白い花は何故か心が満たされた
そんな日々が3ヶ月続いたとき、
人間はある日を境に来なくなった
人間は白い花の隣の赤い花に水をやるようになった
赤い花には白い花にはあげたことがないような
とびっきり上質な肥料をやった
白い花はそのことに傷ついて枯れてしまった
その翌年の春
白い花は新しく芽を出した
白い花は太陽の光に照らされてキラキラ光っていた
輝いていた白い花は女の子の目に留まり、
そのまま摘まれて生涯を終えた
読んでくださってありがとうございます。
良かったら、余韻をゆっくりと楽しんでください。