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俺の運命の出会いはなにかが違う
「あのー」
人は運命の出会いに憧れ想像する。ごく当たり前のことだ。多くの人が恋愛映画や恋愛ドラマ、恋愛小説あるいは少女漫画などを見るたびに運命の出会いとはなにかと考える。
「突然で失礼なんですけど」
出会いが起こる天候は目が開けられないほどの晴天、あるいはどしゃぶりの雨の日ということが一般的である。より印象を与えることができるからである。
「私と一緒に」
シチュエーションはどうだろうか。パンをくわえながら交差点でぶつかり運命的な出会いをする、これはあまりにもメジャーな出会いである。まあこのような状態に陥ることはほぼないといっても過言ではないだろうが…。現実的に考えると物を拾ってあげた時、傘を貸してあげた時などが挙げられる。普通に一目惚れということもあるだろう。人は皆運命の出会いというものにある程度共通認識をもっているはずだ。なのに突如俺の目の前に現れた少女は言う。
「同居してくれませんか?」
俺の運命の出会いはやっぱりなにかが違う。