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ファンタジー世界に転生して、変わった職業に就くことになりました。~Side1~  作者: 渡来人
第四章 状態確認-ステータスチェック-Ⅰ
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新たなる旅立ち~後編~

「くそっ……こんな事してる場合じゃねぇのに……フォルツァ、シャロン!!」

「随分とご機嫌ななめじゃないか、ティルド」

「い、いや……」

 このパーティーはこういう感じなんだな。なんか、カカア天下って感じ。

「ティルドさん、おめでとうございます。またフォルツァさんと一緒にとして冒険が出来ますよ!」

「シャロン、すまねぇな。洞窟内に置いてきちまって」

「気にしないで下さい。あれは仕方ないです」

 そこは怒っても良いと思うんだが。

「フォルツァ、シャロン。ありがとう」

「礼を言うなら、この人達に言いな。この人達が助けてくれなけりゃ、アンタも今頃は職無しのままだったよ」

 確かに。俺達が行かなかったら、二人はミノタウロスに殺されていた。

「そうだな。あんた達、フォルツァ達を助けてくれてありがとな」

「いや、当然の事をしたまでさ」

「礼を言わなそうな人からありがとうなんて言葉が……明日天気大丈夫かな?」

 ラルム……余計なことを。

「それもそうだな。だが、予想外の事とはいえ、ろくな説明もしてない俺も悪いからな」

「余裕が無いときはそういうときもある。後で謝れれば問題ない」

「……ありがとう。恩に着る」

 やはり、なんか気色悪い。

「では、ティルド様。冒険者以外の職業での新規登録となりますが、宜しいでしょうか?」

「あ、ああ。そうそう、あんた達。また機会があれば、宜しくな」

 意味深な言葉を残して奥に消えていった。

「さて、僕らも行こう」

「そうだね」

 あれ? 何処へ行くのか?

「行ってしまうんですか?」

「寂しいなら、一緒にく──痛あっ!」

 ラルムの頭にヘストの拳がクリーンヒット! いやぁ、お見事!

「ハーミンバードさん、僕らは東のラーディスルトへ向かう途中だったんだ。申し訳ないけど、ここでお別れだ」

「ててて……ヘスト、冷たくない? シャロンちゃん、寂しがってるのに」

 いや、単に驚いてるだけだと思うけど。出会って間もないし。

「ラルム、キミは単にハーミンバードさんと一緒に居たいだけだろ」

「それの何が悪いんだよ!」

 あっ、開き直ったな。コイツ。

「僕らと一緒に行くのはレベルの差がある。せめて二桁くらいはないと」

「そこは守りながら──」

「コホンッ」

 いつの間にかネフィリムさん登場。

「ギルド法第……」

「さあ、行こう! ヘスト!」

「ん? ああ。またね、サトル。そしてハーミンバードさん」

 ラルムは慌てながら、ヘストを連れて去って行った。

 こうなるなら、喧嘩なんてしなきゃ良いのに。

「サトルさんは、これからどうするんですか?」

「えっ、俺?」

 そういえば、知らない内に異世界に転生し、ここまで来たから忘れてたけど俺に目的も目標もない。唯一の目的である助けてくれた少女も、安全を確認出来た。

「改めて聞かれると何もないな」

「それなら、一緒に行きませんか?」

 一緒に行く? 何処へ?

「私、ここから南にあるメルカトールに行こうと思ってるんですが、一人よりは誰かと行ければ寂しくも無いですし」

 ああ、護衛みたいなものか。

「ああ、構わない。よろしく頼む」

「はい。こちらこそよろしくお願いします」

 俺はふとしたきっかけで異世界へ転生し、一人の少女と出会った。その少女と俺は旅に出る事となった。何事もなく、無事に南にあるメルカトールという街へ着ければ良いけど……。

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