ハルトモ7話
ー7話最終話
恭之助が動いた。
ヘリコプターで、機材をカラオケフリーダム本社前に降ろし、美里を立たせた。
20万人を圧する、巨大スピーカー6台からレスポールの轟音が地響きを上げた。
「ちゃんとしろや~シンガーをてめえらのオモチャにするんじゃないよ!」
20万人が黙った。
「家に帰って、てめえらのすべき事をやんな!」
そこここから、ー美里すまないーの声が波のように渡って行く。
群衆は押し合う事もなく、静かに消えて行った。
明け方5時過ぎに太陽が昇ると、最後のひとりが去った。
これは、全世界にネット中継されており、美里が投入された事で、フィメールのファンが仲裁に入る形でネット上も終息した。
6時に鹿児島のカラオケ店で、靴を片方なくし、ボロボロになったタケガミが発見された。
どうやって、2時から6時の4時間で岐阜から鹿児島まで行けたのかが話題になった。
ハルトモは、新曲ハルトモハーモニーでデビューを果たした。
春菜は、舞台の袖で三ノ宮に抱っこしてもらっって、キャッキャ喜んでいる真由子を見て、そして小林を見た。
最前列には、光治と母亮子が並んで手拍子している。その後ろに、三笠悟志さんと、奥さんの歩美さん。
これは悪くないんじゃない?
春菜はそう思った。
ハルトモ完結