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ハルトモ  作者: 武上 渓
7/9

ハルトモ6話




ー6話



記者会見には、小林と春菜に、稲沢、カラオケフリーダムの社長田辺三千雄が並んだ。

マネジャーの妻夫木が司会を務める。 

経緯と概要を妻夫木が説明した。

「では。挙手で御願いします。はい。その方」

痩せた若い記者が立ち上がった。


「スポーツ新聞ヤッホーの栗谷です。よろしくお願いいたします。え~今回のハルトモ結成についてですね。春菜さん小林さん双方のファンが納得するかの点についてですね。結婚時に反対の意見が有った所から見て、今回も反対意見が出ると予想されますが?いかがでしょうか?」

小林がマイクを持った。

「反対意見が出て、主張を聞いてからお答えしたいと思います」

「私ごとではありますが。春菜さんのファンです。これからは、必ずお二人の姿と声で聴く事になります。非常に傷付きます。この点についてはいかがですか?」

再び小林がマイクを握った。

「栗谷さん。春菜を支持して下さった事について、有り難く思います。傷付かれた点について、小林智昭として深く謝罪します」

小林がマイクを置いた。

「小林さん。謝罪さ……」

小林は立ち上がって深々と頭を下げた。

春菜も立ち上がって小林に習った。

稲沢が、妻夫木が、そしてどよめきが起こった。

田辺三千雄社長が立ち上がった。栗谷が

「待ってく……」

を立ち上がって、言い切る前に頭を下げた。

フラッシュが激しく焚かれた。

日本音楽業界を屈服させ、事実上日本の音楽業界の頂点に有る会社の社長が頭を下げた。

それで夕刊の1面は決まってしまった。

見出しはー鬼田辺がまさかの最敬礼!

でマスコミは、この報道から引いた。ここまでされて記事を引っ張るのは、記者の信条に反するからだ。


しかし、音楽業界はネットで復讐に出た。

反対の論陣に、タケガミを中心とする賛成の論陣が対峙した。

おびただしい、アカウント停止者の山を築いた。

記者会見のあと、深夜2時に混乱は頂点に達した。

カラオケフリーダム本社に、反対と賛成の群衆が集まり衝突した。

さらに、タケガミの自宅を突き止めた男が、窓から浸入し、タケガミがスマホを持って逃げて行方不明になった。

警察は機動隊を総投入したが、20万の群衆に成す術もなかった。




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