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ハルトモ  作者: 武上 渓
3/9

ハルトモ2話




ー2話


降り立った空港は、群衆に取り囲まれていた。

マネジャーの妻夫木ヒロシが、状況を確認してくれている。

「小林。ローディの土岐とやっと電話が繋がったよ」

「どうなんです?」

「反政府デモじゃなく、全部小林ファンだそうだ」

「でも。警官隊が出て催涙弾撃ち込んでるんでしょ?」

「見た目が変わらなくて、政府もマスコミも反政府デモと思ったらしい」

「出られるんですか?」

「恭之助さんが、動画上げて呼び掛けてるそうだ。もう空港出て良いと土岐に伝えたらしい。行こう」


空港側に話すと、ファンに話してくれと言う。

通訳を交えて話すと、霧が晴れるように解散してくれた。

ヨーロッバは、アラブの戦争で確実に傷ついている。父親や男兄弟は戦場で身も心も傷ついて、半年に1回戻ってくる。残された女性は戦死を恐れ、また戦場に行く彼らを思って傷付く。

さらに傷付いた難民が流入して緊張を高める。


小林は彼らの為になる歌を作ったり、即興で歌詞を変えて歌った。

恭之助さんの発案で、観客が持ってるモバイルにカラオケの字幕を送る。

英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語、日本語、ポルトガル語、スペイン語、アラビア語に対応していて、歌にシンクロして色が変わる。

曲間のMCもトップクラスの対応全言語同時通訳者を入れて表示する。

カラオケフリーダムのノウハウが爆発した。


小林のスマホもつながらない。常に、熱狂して通信しまくるファンの中心に居るからだ。

メールで春菜から、声が聞きたいと打ってくるが出来ない。

ライブの前後は移動中も取材インタビューで埋まる。

春菜や真由子の事を考えている余裕も許されない。

真面目な小林はファンとマスコミに、春菜と真由子の為の時間を費やしてしまった。

迂闊にもそれで、2年が過ぎてしまった。

それは、あまりに迂闊過ぎた……。




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