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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

戦史を辿る

※この物語の主人公の名前は実在しません。

―1941年12月8日。

日本はアメリカ、イギリスへ宣戦布告。太平洋戦争への火蓋を切った。

同時に日本はアメリカに後に真珠湾攻撃と呼ばれる攻撃を仕掛けた。

午前2時45分、第2波空中攻撃隊として航空母艦『赤城』・『加賀』・『蒼龍』・『飛龍』・『翔鶴』・『瑞鶴』より艦戦36機、艦爆81機、艦攻54機、計171機を発艦させた。

戦記的には日本の勝利として飾られているが、実際には未帰還機29機、損傷は74機、戦死者は55人という損害を蒙っている。

今回はこの戦死者達に視点を当て、物語を進行していこうと思う。


―真っ青の晴空(そら)、私の乗る戦闘機の下にはどこまでの続きそうな雲が漂い、時折雲の狭間から見える海は青く透き通っていた。

私の名は鈴木正平。1等兵である。

現在航空母艦『翔鶴』より午前2時45分より発艦された第2波空中攻撃隊艦戦36機の中の1機として零式艦上戦闘機二一型に乗り込み、米軍基地を目指し飛行中だ。

先に午前1時30分より出た第1波空中攻撃隊の後を追い、敵艦を1つでも多く沈め、我が日本軍に勝利を与える為ならばこの命すら惜しくはない気持ちで向かっている。


―7時49分。第1波空中攻撃隊が真珠湾上空に到達、同時刻攻撃隊総指揮官の淵田が各機に対して「全軍突撃」の命を下した。

結果としては日本軍は奇襲に成功、淵田は『赤城』に奇襲成功を知らせる『トラ・トラ・トラ』を打電。第1波空中攻撃は成功したようだった。


―続き私達第2波空中攻撃隊が8時54分全軍突撃した。

既にアメリカの戦艦5隻ぐらいから火が吹き出し、煙が上がっていた。

しかし、生き残っていた軍艦(ふね)もあり、第2波空中攻撃隊の艦攻・艦爆が戦闘へ移行、私達は航空基地から出撃される敵機を目標と定め、交戦した。

そこには既に綺麗も汚いもない。

相手を倒すか、自分が倒されるか。命の駆け引きを私達は空で行った。

中にはさっきまで近くを飛んでいた同僚の飛行機が敵機の機関銃や敵艦の対空砲火に被弾し、羽根がもげたり燃料タンクに火がついたりして海に沈んだり、敵艦や敵航空基地へ体当たりして行ったのが見えた。

正直私にはこんな所で死ぬ覚悟も勇気もない。

無慈悲に敵機を機関銃で撃ち落としている殺人鬼その者だ。

ふと気づけば、背後に敵機が1機迫ってきていた。


「くっ!」


プロペラを高速回転させ、大きく背面を向けつつ旋回する。

相手も同じく旋回体勢に入るが、零戦の速度と上昇力には適わず、背面から機関銃で撃ち続け、敵機から火が吹き出た。

1機倒してもまだそこらじゅうに敵機がおり、私の死角から1機に機関銃で撃たれてしまった。

燃料タンクから火が吹き出て、プロペラの回転もどんどん落ちていってしまう。


「もはやここまでか……!」


推進力を失い、海面へ真っ逆さまへ落ちていく。


「さて、最後の仕事と行きましょうか……!」


まだ、少し回っているプロペラに命を懸け操縦舵を手前へ引き込み、海面で交戦している敵艦への急降下のルートへ機体を載せていく。

コックピットから覗き込む景色は辺り爆煙や対空砲火、機銃掃射で良く見えないが、私を襲う落下の力だけが何故かこの身体にひしひしと伝わってきていた。

それと同時に『死』への恐怖もだ。

家族から貰った千人針を握り締めながら、「ありがとう」と呟く。

敵艦を目標に据えそのままレバーを離す。プロペラは既に止まっており、ただただ重力に従い落下して行く。

しかし、運が悪く落下する軌道が少しずれ私は敵艦に満足なダメージを与えることが出来ず、海に追突した。

『戦史辿る』をお読みいただきありがとうございます。

皆様はこのような文を読むとどのように思うでしょうか。

「戦争はしてはいけない」などと思うかもしれません。

確かに戦争はしていけないものなのです。しかし、その事を後の世代へ伝えていく為に我々はこのような史実を調べる必要があります。

今回正直思い付きで書いたので、文がめちゃくちゃ短いですが、もし続きを書いて欲しい(ないと思いますが)みたいな事があったら書きたいと思います。


【今回の作品を書くにあたり、wikiを使用させて頂きました。また前書きにも書いた通り、今作の主人公の名前は完全にフィクション内の名前となっており、実在致しません。】

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