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第1話 高校始まりの朝

読んでくださってありがとうございます。

今回は前半と後半で視点が変わっています。誰視点かって書いたほうがいいんですかね?

もう少し話が進んでキャラクターが増えたらキャラまとめを作ろうと思います。


 高校の二日目の朝。

 俺が目を覚ました時間は珍しいことに目覚まし時計が鳴る前だった。


「うーん、二度寝って感じでもないな」


 目覚ましの時間まではあと三十分ぐらいあるけど、ここで寝たら確実に起きないだろう。まぁ、たぶん零音が起こしに来るだろうけど。

 昨日いろいろとあったせいか、変に体が緊張しているのかもしれない。

 俺は狐の仕業で好感度が見えるようになった。幼なじみの零音にも昨日出会った夕森という女子にも好感度は見えた。こんな人の心を覗けるような力は欲しくないんだけど。今は受け入れるしかない。

 また時間を見つけてあの夜野とかいう奴を見つけないといけないな。

 そんなことを考えながら顔を洗い下に降りると、リビングの方から音が聞こえてきた。


「ん、もしかしてもう来てるのか?」


静かに扉を開けると、そこにはキッチンで料理を作る零音が立っていた。

いつも早く来てることは知ってたけど、こんな時間からいたのか。


「♪~~♪~~♪~~」


 しかも上機嫌に鼻歌まで歌っている。

 なかなか見ることはない姿だ。というか、これ完全に俺が起きたことに気付いてないな。

 ……ゆっくり近づいたらびっくりさせられるかもしれない。そろそろと足音を立てないように零音に近づいていく。

 よほど料理に集中しているのか、俺に気付く様子はない。


「おはよう、零音」

「ひゃうんっ!」


 いきなり声を掛けたことに驚いたのか、零音はその場で小さく飛び上がる。


「ハル君!? え、ハル君!?」

「そこまでびっくりされるとこっちもびっくりするんだけど」


 ここまでびっくりしている零音を見るのは久しぶりな気がする。零音はあんまり驚かないからなぁ。


「だ、だってハル君が自発的に起きてくるなんて……あ、もしかして私時間を間違えてる? そんな確認してきたのに。もしかして時計止まってたのかな。二日目からこんなミスするなんて」

「いや、俺が早く起きてきただけでそこまでの反応されるとなぁ。あと、時計は普通にあってるから大丈夫だよ。たまたま早く起きてきただけだって」


 うーん、やっぱり好感度は見えるままか。

 零音の横には『好感度:68』というのが浮かんでいる。これは数値としては高いのだろう。幼なじみだからというのもあるのだろうか。昨日の夕森は好感度が21だったはずだ。

 ちなみに、零音の好感度が思っていたよりも高くて嬉しかったのは秘密の話だ。というか、これですごく低かったりしたら普通に落ち込むな。


「なんだ、そうなんだ。もう! びっくりさせないでよ」

「なんで早く起きて俺が怒られるんだよ」

「そういうのは自分の普段の行動を見つめなおしてから言ってください」

「へいへい」

「まぁいいけどね。ちょうどご飯もできたとこだし。食べよっか。って、あそうだ」

「? どうかしたのか」

「おはよう、ハル君」

「あー、そういうことね。おはよう零音」


 それから朝食(今日は洋食だった)を食べた俺は、珍しくゆっくりとした朝の時間を過ごしてから学校へと登校した。




□■□■□■□■□■





「それじゃあ行こっか。まだ時間に余裕はあるけどね」

「あぁそうだな」


 全く、今日は朝から晴彦に驚かされた。まさか晴彦が自分から起きてくるなんて。

 確か、ゲームではそんなことはなかったはずだけど。二日目にも零音が、私が起こす場面が入っていたはずだ。

 そんなに大きな齟齬とは言えないけど、これからもこういうゲームとは違う展開があるかもしれない。

 というか純粋に恥ずかしい。完全に起きてくることはないと思っていたから鼻歌歌ってたけど、まさか聞かれてるなんて。穴があったら入りたい。

 だいたい晴彦も晴彦だ。起きてきたなら普通に言えばいいのに、隠れるように近づいてくるなんて悪趣味だ。


「で、今日も昼までなんだよな」

「え、あ、うん。そうだよ。通常授業は明日から」


 ヤバい。考え事に夢中になって聞いてなかった。今はこっちに集中しないと。


「私たちの学校は、二日間使って、入学式と学校の説明をするから。両方とも昼までの代わりに、他の学校よりも少し早く始まってるんだよ」

「そうだったのか。別に長くてもいいから、休みが欲しかった」

「アハハ、ハル君はそうだろうね」

「零音は違うのか?」

「私は高校楽しみだったし」

「まぁ、確かに高校は楽しみだったけどさー」


 これは嘘じゃない。学校は嫌いじゃないし。ゲームで出てきた人以外でどんな人がいるのか気になっているしね。まぁ、風城先生みたいな人は勘弁してほしいけど……あんな人そうそういないか。


「それよりもさ、今日の自己紹介とか考えたの?」

「いやなんにも。まぁ普通に趣味とか言ってたらいいだろ」

「もう、自己紹介って大事なんだよ? みんなが自分に興味持ってくれるきっかけにもなるんだから」


 自己紹介はホントに大事だ。この掴みで一年間が左右されると言っても過言じゃない。ここでの失敗は高校生活に大きな影を落とすことになりかねないのだ。元の世界にいた時も自己紹介はしっかりと準備して臨んだ。おかげで友人にも恵まれたものだ。


「零音はそんな心配しなくても大丈夫だろ」

「え? どうして」

「いやだって……あー、まぁいいや」

「なんでよー。教えてよー。言ってくれなきゃわかんないよ」


 嘘ですわかります。そりゃ私クラスの美少女ともなれば多少自己紹介で失敗しようとなんの問題もない。もし失敗したとしても愛嬌として受け入れられるのだ。全く、美少女というのは得なものだ。


「いいんだよ。わからなくて」

「なにそれ。まぁいいけどさ」

「そういえば、昨日会った夕森も同じクラスだって言ってたな」

「面白そうな子だったね」

「なんていうかテンション高かったな。俺はついていけないタイプだ」

「話してみたら合うかもしれないよ?」

「だといいけどな」

「ハル君もせっかく高校生になったんだから。もっと友達増やさないとね」

「うるせぇ、余計なお世話だ」

「とにかく、まだ時間もあるんだから話す内容だけでも考えておこうよ。私が自己紹介の仕方教えてあげるからさ」


 そう、失敗させるわけにはいかない。変に現実的なこの世界ではもしかしたら晴彦が失敗することがあるかもしれない。万が一があるならそれは排除するべきなのだ。

 そのためにできることなら努力は惜しまない。というわけで差し当たっては、私が築き上げてきた自己紹介術を晴彦に叩きこむことにしよう。


「あの、零音? 零音さーん? 微妙に顔が怖いんだけど」

「フフ、フフフフフフ」

「零音さーーん! 怖いんだけどー!」



 そして学校に着くまでの間、私はできるだけの技術を晴彦に叩きこんだのだった。





いつも起きるの遅い人が早く起きてると時間の確認しちゃいません?私はしちゃいます。


次回は自己紹介の話となっております。なんか全然進んでませんが。キャラが揃ったら進むと思います。たぶん、きっと、おそらくですが。

それでは次回もよろしくお願いします!


次回投稿は8月6日9時を予定しています。


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