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第40話 校外学習編6 親睦を深めるために

ないときに限って出ていくことが多い物、それがお金なのです。


誤字脱字がありましたら教えてくれると嬉しいです。

作品に関する疑問や質問なども受け付けておりますので、気になったことがあったらお聞きください。

 朝の授業から、零音の様子がおかしい。

 いやまぁ、何が特別おかしいってわけじゃないけど、なんていうか俺を避けてるっていうか……でも、ちょくちょく俺の方を見てるしなぁ。

 今も見てるし。

 授業の合間の時間、いつもなら零音が寄ってくるけどそんなこともなく、こっちをチラチラと見ているだけだ。うーん、何かしたっけ。

 考え込んでいると、不意に雪さんが話しかけてくる。


「どったのハルっち?」

「いや、なんていうか……零音の様子が変だなって」

「あぁ、なるほど。でも気にしなくていいんじゃない?」

「でも」

「女の子には色々あるもんだよ? 無粋に突っ込まないのが男ってもんさ」

「そう……かな」


 確かにあんまり気にしすぎるのも良くないのかもしれない。まぁ、零音もホントに何かあったなら言ってくるだろうし、とりあえずは気にしなくていい……かな? 朝みたいに不機嫌ってわけじゃなさそうだし。


「それよりもさっきの授業であったことなんだけどさー」






□■□■□■□■□■□■□■□■


 午後の時間。お昼ご飯を食べ終わった俺達は先輩達と合流するために移動していた。

 ちなみに、そのお昼ご飯の時も零音が話しかけてくることはなかった。

 俺と雪さんが話しているのをジッと見てきてはいたんだけど……ほんと、なんなんだろうか。


「来たわね」

「お待たせしました」


 俺達が集合場所についた時にはすでに先輩達がその場所で待っていた。一ノ瀬先輩達がやたらと大きな荷物を持ってるのは気になるけど……まぁ、今は気にしないでおこう。


「それじゃあ、全員揃ったようだし、何をするか説明しましょう。午後は班ごとに行動が自由だというのは聞いているわね?」

「はい」

「名目は各々自習ということだけど、大体のところはそんなことはしないわ。この校外学習の目的は親睦を深めることだから。そこで私達はこれをすることにしたわ!」


 一ノ瀬先輩達が荷物を降ろし、そこから出てくるバトミントンにグローブに、ボール……これって……もしかして遊び道具?


「遊びといったらこれでしょう? バトミントンにキャッチボール、フリスビーとか、遊べそうなものは一通り用意したわ!」


 先輩が目をキラキラとさせながら言う。

 俺達がどう反応したらいいかわからずに困っていると、双葉先輩が近寄ってくる。


「これねぇ、会長がいままでやりたくてできなかったことみたいなんだぁ」


 あぁ、なるほど。確かに、会長はゲームはしてきたみたいだけど、二人以上でするような遊びはできなかったのか。

 それにしても、雫先輩のテンションの上がり方を見るに、ほんとにやりたかったみたいだ。


「まぁ、これでも親睦は深めることはできるだろうし、付き合ってあげてねぇ」

「もちろんです」

「二人とも、なにをこそこそと話してるの? ちゃんと話聞いてたかしら?」

「ごめんごめん。聞いてたよぉ」

「ならいいのだけど。それじゃあ、一年生と二年生のペアを作りましょうか。晴彦は私と——」

「ハルハル一緒にやろっか~」

「あ、はい。わかりました」

「なっ!? ちょっと双葉、こっちに来なさい」


 双葉先輩が雫先輩に連れていかれる。

 どうかしたんだろうか。


「晴彦とは私が組むって言ったじゃない」

「え~。でも会長もたまにはハルハル以外の一年生と関わったほうがいいよぉ」

「それは……そうかもしれないけれど」

「じゃあ決まりだねぇ」

「あ、ちょっと!」


 双葉先輩が戻ってくる。

 話し合い終わったのかな。何言ってたかは聞こえなかったけど。


「どうかしたんですか?」

「ううん。なんでもないよぉ。よろしくねハルハル~」

「はい。よろしくお願いします」


 他の人との組み合わせは雫先輩と零音、田所先輩と雪さん。一ノ瀬先輩と井上さん。二宮先輩と友澤。三林先輩と山城ということになった。


「……それじゃあやっていきましょうか。道具あるから自由に使いなさい」


 とりあえず三十分はペア同士で遊んでから、その後にバトミントンで試合したりするということになった。


「何しよっかぁ」

「先輩の好きなことでいいですよ」

「う~ん。それじゃあ、のんびりしてよっか~」

「え?」

「座ってお話してようよ~」

「えーと。それでいいんですか?」

「どうせ後で動くことになるなら、今はいいかなぁって」


 確かに双葉先輩は雰囲気からしてあんまり動くのが好きじゃなさそうだけど。

 うーん……まぁ別にいいか。先輩の言うことに反対する理由もないし。


「それじゃあハルハル。ここに座って座って~」

「はい、わかりました」


 他のみんなはそれぞれ先輩と何かをし始めているみたいだ。

 今いる場所には他の班の人たちもいないから、自由に使えそうだし。っていうか、他の班の人はなにしてるんだろ。


「何か気になることでもあるのぉ?」

「他の班の人たちはなにしてるのかなって思ったんです」

「うーん。そうだねぇ、去年だとボクなんかは渓流釣りに連れていかれたりしたけどぉ。今年もしてる人はいるんじゃないかなぁ。あとは、テストに向けてちゃんと勉強とかねぇ」

「渓流釣りって、そんなことまでできるんですか」

「道具はホテル側が貸してくれるから。ボクたちのもホテルが貸してくれたやつだし」

「そうだったんですね」

「あのね、ボクちょっと聞きたいことがあったんだぁ」

「なんですか?」


 どこからかお菓子を取り出した先輩が俺のことをジッと見ながら言ってくる。


「ハルハルってさぁ、好きな人いるの?」



ひっかきまわし要員の双葉先輩。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

もし気に入っていただけたならブックマークよろしくお願いします!

それではまた次回もよろしくお願いします!


次回投稿は9月23日18時を予定しています。



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