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第38話 校外学習編4 夕森雪は攻める

4話も使ってまだ朝から全然話が進んでないという。


誤字脱字がありましたら教えてくれると嬉しいです。

作品に関する疑問や質問なども受け付けておりますので、気になったことがあったらお聞きください。



「オレ、完全ふっっっっっっっかつ!!!」


 バスを降りるなり、友澤が叫ぶ。


「いやー、朝は不甲斐ない姿を見せて悪かったな。この通り、元気になったぞ!」

「もう少し元気ないままで良かったのに」

「ひでぇ!」


 バスに乗ってる間に体力は回復したみたいだ。まぁ、ずっと寝てたしな。


「友澤君、元気になるの早いね」

「そりゃもう! いつまでも元気ないままじゃいられませんよ。せっかくの校外学習、それも朝道さんと同じ班になれたんですから!」

「そ、そうなんだ」


 復活していつもよりも元気な友澤の様子に零音が若干引いている。


「先輩達も、ご迷惑かけたみたいですいませんでした」

「気にしなくていいよ」

「問題ない」

「いいっスよ別に」


 そういえば友澤は男子の先輩達と一緒だったっけ。先輩達が友澤が寝やすい環境にしてくれたらしい。


「晴彦達も荷物を持ったかしら?」

「あ、はい。受け取りました」

「あれぇ? 会長、ハルハルの事名前で呼ぶことにしたの?」

「そうだけど……なにか問題があるかしら?」

「ふぅん、へぇ……別になんでもないよぉ」


 ニヤニヤと笑う双葉先輩が、俺と雫先輩を見た後に、零音に視線を向ける。

 零音にはどうやらその視線の意味がわかったみたいだけど……なんなんだろうか。


「雫も双葉もそろそろ時間よ。移動しないと」

「そうだったわね。それじゃあみんな、また後でね」

「まぁたねぇ」


 俺達一年生組と先輩達二年生組は午前の教室の場所が違う。先輩達は授業じゃないことをするみたいな話を聞いたけど……なにするんだろう。


「なぁ、ハル君」

「ん、どうした?」

「あの、昼ヶ谷先輩のこと……なんだけど」

「雫先輩がどうかしたのか?」

「しず……ううん。やっぱりいいや。ごめんね」


 うーん。なんなんだ?

 まぁいいって言うなら大したことじゃないんだろうけど。

 

「おーい、ハルっち! 早く教室行こうよ!」

「うわっ!?」


 零音との間に割り込むようにして、雪さんが俺と腕を組んでくる。


「ちょ、雪さん! 腕!」

「あれ、嫌だった?」

「嫌っていうか、その」


 思いっきり胸が当たってる。普段触れることのない感触だからか、意識がそちらに持っていかれる。胸の何と罪深いことか。

 そんな俺の様子は雪さんに筒抜けだったようで、クスリと笑った雪さんが俺の耳元に顔を寄せる。


「当ててるんだよ。言ったでしょ。アタシのこと意識させるって」

「っ!?」


 ゴールデンウィークの時に言ってたあれは本気だったのか。あれから少しだけ近づいてくることが多いなとは思ってたけど、何も言わないからもうなくなったと思ってたのに。


「どうかな? これでも普通よりは大きい自信があるんだけど」

「どうって言われても」


 確かに、パッとみてわかるほどに夕森さんの胸は大きいけど、だからってここで正直に答えるわけにはいかないだろ。


「雪ちゃん。なにやってるのかな」


 俺の腕に抱き着いていた雪さんを零音が引きはがす。

 なくなった胸の感触に少し悲しく……じゃない、これでいい。これでいいんだよ。


「あれぇ、レイちゃん怒った?」

「別に怒ってないよ。でもハル君が困ってるみたいだったから」

「えぇ、そんなことないよね? 嬉しかったでしょ」

「いや、俺はその、嬉しかったといえばそうだし、なんていうか……」

「やっぱり嬉しかったんじゃん。ハルっちも男の子だねぇ」

「うっ、はい……すいません」


 ケラケラと笑う雪さんと、ジトーっとした目で俺を睨む零音。

 これって俺が悪いのか? いや、悪いのかもしれないけどどっちかっていうと雪さんがあんなことしたからこうなってるわけで……。零音の目が痛い。


「まぁそんな正直者のハルっちのためにアタシがもう一回——」

「いや、いやいやいや。もういいって! それよりもほら、教室にいかないと」

「えー。まぁいいけどさぁ」


 再び抱き着こうとしてきた雪さんをなんとか止めて、教室に行くように促す。


「他のみんなも移動してるみたいだし、アタシ達も行こっか」


 言うなりさっさと先を歩き出す雪さん。そしてどこか不機嫌な様子なまま零音も先に歩き出してしまう。


「おい日向」

「なんだよ」

「あの二人なんだか最近ピリピリしてないか?」


 近づいてきた友澤がそんな質問をしてくる。

 確かに、最近二人がさっきみたいな雰囲気になることがある。普段は普通に話してるから、喧嘩してるとか、仲が悪いってわけじゃなさそうだけど。

 原因があるとしたら……俺か。


「お前あの二人になんかしたのか? 雪さんもゴールデンウィーク明けからやたらと日向にくっつくことが増えてるしよ」

「それは、まぁいろいろあったというか……」

「羨ましい奴め」

「何が羨ましいんだよ」

「美少女二人が自分を取り合ってくれるなんて最高だろ?」


 別にあの二人は俺を取り合ってるわけじゃ……いや、雪さんはあのゴールデンウィークのことがあるから意識してやってるところもあるんだろうけど、零音はただたんに俺がだらしないとか、そんな理由で怒ってるだけだと思う。


「日向、友澤。そこで何をしている。すでに三人は行ってしまったぞ」


 山城が立ち止まったままの俺達に声を掛けてくる。

 周囲にはすでに生徒の姿はなかった。


「やべ、いつまでも話してたら遅れるか。急ごうぜ日向」


 あの感じだと雪さんはまだまだ何かしてきそうだし……零音も不機嫌なままにしておくわけにはいかない。

 いったいどうするべきか頭を悩ませながら先を行く友澤の後を追った。


雪が攻め始め、雫もまた名前呼びなどで晴彦との距離を縮めていく。

そんな中で零音はどうしていくのか。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

もし気に入っていただけたならブックマークよろしくお願いします! 私の励みになります!

それではまた次回もよろしくお願いします!


次回投稿は9月20日21時を予定しています。


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