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第35話 校外学習編1 遠足前は眠れないタイプ

今回から校外学習編です。楽しんでいただけるよう、頑張っていきます!


誤字脱字がありましたら教えてくれると嬉しいです。

作品に関する疑問や質問なども受け付けておりますので、気になったことがあったらお聞きください。

 校外学習の初日、俺達はいつもの登校時間よりも早く校庭に集められていた。


「あぁ……眠い」


 正直、眠たくて全然頭が働かない。

 なんでこんなに朝早いんだよ。


「もう、ハル君いい加減に目を覚まして」

「そうだけど……」


 いつものことながら零音に起こされてきたわけだけど……やっぱり平気なんだな。さすがいつも早起きしてるだけはある。


「零音もたまには遅くまで寝てようとか思わないのか? まぁ、今日はそんなことしちゃダメだけどさ」

「うーん、もうこれに慣れちゃったしなー。それに、誰かさんを起こさないといけないからそんなこと考えたこともないよ」

「へいへい、そうですかー」

「やっほやっほー! ハルっちもレイちゃんもおはよー!」


 やたらと元気な声が響く。この声は……雪さんか。


「雪さん……おはよ」

「おはよ、雪ちゃん」

「どったのハルっち。めっちゃ眠そうだけど」

「眠そう……じゃなくて眠い」

「フフ。ハル君ね校外学習が楽しみだったみたいで、昨日なかなか寝れなかったみたいなの」

「えー、なにそれ。子供みたい」

「うっせ。零音も余計なこというなよ」


 まぁ、確かにホントのことだけどさ。


「でも昔からそうだもんねー。遠足とか、修学旅行とか」

「べ、別にいいだろ」

「うんうん、アタシもいいと思うよー。ハルっちそういうことあるんだね! 可愛いと思うよ」

「可愛いはやめてくれ。恥ずかしいから。っていうか、雪さんは朝平気なんだな」

「まぁアタシも朝早く起きてランニングとかしてるし。朝は強いよ」

「そうなんだ」

「今度ハルっちも一緒にランニングする?」

「遠慮する」

「えー、朝から走るの楽しいのに」

「俺にその楽しさを理解するのは無理そうだよ」

「そんなことないと思うけどなー。あ、そういえば他の人はまだ来てないの?」

「友澤君以外は来てるよ。今は先生の所に行ってる。ホントは班長が行かないといけなかったんだけど、この調子だからね」

「それはホントに悪いと思ってる」

「ってことは後来てないのはトモっちだけかー」

「……オレなら今来たぞー」

「うわぁ!!」


 今にも死にそうな声で言ってきたのはまさしく話していた友澤だった。

 いつもは元気なその姿……しかし今は見る影もなく、まるで幽鬼のようだった。

 まぁでもおかげでびっくりして目が覚めたけどさ。


「ど、どうしたのトモっち!」

「校外学習楽しみすぎて……寝れなくて。疲れたら寝れるだろって思って走ったりしてたら……町を十周くらいしてた」

「えぇ!」

「友澤君、それは走りすぎだよ……」

「大丈夫か?」

「ふっ、全然だいじょ——ごふっ!」

「大丈夫じゃない!」

「ま、まぁちょっと休んだら元気になるよ」


 そういうと友澤はその場に座り込む。


「なんていうか、友澤君らしいといえばらしいけど……あんまり無茶しちゃダメだよ?」

「気を付けます」


 まぁ、俺も楽しみだったから友澤の気持ちはわかるけどさ。いくらなんでもやり過ぎだろ。


「み、みんなごめんね。待たせたかな」

「待たせた」


 友澤が来てから少しして、井上さんと山城が戻ってきた。


「俺達が乗るバスと、今日一日の行動表だ」

「二人ともありがと」

「悪いな。俺のせいで」

「構わん。これくらいはなんでもない」

「そ、そうだよ。私なんてこれくらいしかできないし」

「そんなことないって。井上さんにはいろいろ助けられてるし。感謝してるよ」

「あうぅ、あ、ありがとう」


 あ、井上さんの好感度がまた上がった。なんだかんだと『62』まで上がってるけど……

 すごい早さだよな。まぁ、話したことある女子が少ないからなんとも言えないけど。

 そういえば、この間から何度か選択肢があって選んでたら零音の好感度が『69』、雪さんの好感度が『35』、昼ヶ谷先輩が『42』になった。ゴールデンウィーク前までは全然上がったりしなかったのに……なんでなんだろ。あと、やっぱり選択肢は零音か雪さんか昼ヶ谷先輩に関わるものだけだったな。


「先輩達はもうバスについているとのことだ。俺達も早く行こう」

「そうだな。友澤は……動けそうか?」

「? どうかしたのか?」

「いや、実は友澤のやついろいろあって走り過ぎたみたいで……」

「それで疲れ果てているのか。鍛練が足りんと言いたいが……しょうがない。俺が運ぼう。荷物は任せるぞ」


 いまだ座り込んだままの友澤の前に行くと、ひょいと担ぎ上げる。


「よし、行くぞ」


 うわぁ……すごいな。あんな簡単に持ち上げるなんて。

 そのままバスの場所まで行くと、すでに先輩達が待っていた。


「すいません、待たせたみたいで」

「別にいいわ。私達が早く着き過ぎただけだしね」

「そうだよぉ。会長ったらハルハルが来るの楽しみだったみたいでねぇ。ずっとソワソワしてたんだよぉ」

「ちょっと双葉! それは秘密にしてないと。雫に言われたでしょ!」

「あれ? そうだっけぇ」

「そうよ。校外学習が楽しみで最近寝れてなかったこととか。今日、日向君が来たらなんて言うかとか、待ってる姿とか。そういうのは全部秘密って言われたでしょ」

「……あなた達黙ってなさい」


 若干顔を赤くした先輩が二人を睨む。


「今日からよろしくね。私も先輩として、あなた達をしっかりと導けるようにするわ」

「はい。よろしくお願いします」

「あれぇ、さっきのカッコつけたやつは言わなくて「黙ってなさいと言ったわよ双葉」——はぁい」


 さっきよりも圧の増した先輩の声に、双葉先輩もさすがに引き下がる。


「ゴホン。それじゃあバスに乗りましょう」

「えーと……はい」


 何とも言えない感じを抱えたまま、俺達はバスに乗った。


遠足の前の日とか、次の日になにか楽しみなことがるとなかなか寝れませんよね。そして次の日眠たくて仕方ないという……。ちゃんと寝れるようになりたい。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

もし気に入っていただけたならブックマークよろしくお願いします! 私の励みになります!

それではまた次回もよろしくお願いします!


次回投稿は9月16日18時を予定しています。

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