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第106話 四人での夕食

誤字脱字がありましたら教えてくれると嬉しいです。

 晴彦と雪が部屋でダラダラとすることしばらく、疲労から眠気が襲ってきたちょうどその時にめぐみが部屋に二人のことを呼びに来た。


「晴彦君、雪ちゃん。夜ご飯の用意できたよ……って、二人とも溶けてるね」

「あー、だってさぁ。めっちゃ疲れたんだもん。めぐちゃんだってわかるでしょ?」

「あはは、まぁ確かにね。零音ちゃんすごく厳しかったし。私ちゃんと宿題やってて良かったーって思ったもん」

「うぅ、めぐちゃんの裏切りものー。同じ苦しみを共有してくれたらよかったのに」

「それは流石にちょっと……それよりほら、夜ご飯できたから二人とも起きて。温かいうちに食べないと勿体ないよ」

「うぅ、はーい。ハルっち行こー」

「そうだな。正直寝てたいけど行かないとまた怒られそうだし。お腹もまぁ空いてるしな」

「アタシはめちゃくちゃお腹空いてるけどね。頭使ったらお腹空くんだよね。ご飯♪ ごはーん♪」


 ルンルン気分で部屋を出てリビングへと向かう雪。子供のようなその姿に苦笑しつつ、晴彦とめぐみも夕食へと向かうのだった。




 晴彦とめぐみがリビングへ降りてくるとすでに雪が席についていた。机の上にはこれでもかというほど料理が並んでいて、零音が若干申し訳なさそうな表情をしていた。


「ごめんねハル君、めぐみと料理するの楽しくてつい作り過ぎちゃった」

「作り過ぎちゃったって量じゃないだろ。これ四人で食いきれるか?」

「そこはまぁ……ハル君と雪に頑張ってもらうってことで」

「やっぱりそうなるんだな」

「残しても勿体ないから頑張って欲しいな。ほら、宿題頑張ったし、お腹空いてるでしょ?」

「確かにお腹は空いてるけど……」

「だからお願い。あれだったらエナジードリンクあげるから」

「エナジードリンクはいらねぇよ!」

「まぁまぁ、いいから早く食べようよ。アタシもう食べたくて我慢できないんだけど」

「そうだね。それじゃあ食べよっか」


 待ちきれないという雪に急かされて零音は手早くご飯をよそう。


「あはーっ♪ いただきまーす!」

「いただきます」

「はい召し上がれ」

「召し上がれー」


 挨拶をするやいなや、雪は猛烈な勢いでご飯を食べ始める。それはもう見ていた零音やめぐみが驚いて目を丸くしてしまうほどに。


「美味しいねー。レイちゃんが料理上手なのは当然として、めぐちゃんも結構料理できたんだ」

「本当にちょっとだけだけど。作ったのほとんど零音ちゃんだし。私が一つ作ってる間に零音ちゃん三つくらい作ってたし」

「それは慣れだよ。めぐみも結構手際良かったし。包丁の使い方とかまだちょっとぎこちない部分があったけど」

「零音ちゃんすごく早かったもんね。私が半分切ってる間にもう終わってたし」

「包丁の扱いはねー。危ないものだからお母さんにすごく厳しく教えられたし。お手のものだよ」

「レイちゃんが包丁の扱い上手って……ちょっと怖いよね」

「どういう意味それ」

「べっつにー、なんでもないよー。それにしてもハルっちは毎日こんな美味しいご飯食べてるわけだ。素で羨ましいなー」

「それについてはまぁ俺も感謝してるよ。俺全然料理とかできないし」

「明日からの旅行はレイちゃんが料理係だね」

「私は別にいいけど。雪も少しは作ろうとか思わないの?」

「んー、無理!」

「清々しい笑顔で言わないで。せっかくだから覚えたら? 教えてあげるよ?」

「アタシは食べる専門だからさー。それにレイちゃんに何か教えてもらうのはちょっと……怖いし」

「その言い方ちょっとムカつくけど……まぁいいけどさ。そういえばめぐみも雪も明日の準備はちゃんと終わってるの?」

「もち! そこは抜かりないよ!」

「そこを抜かりなくするなら宿題も終わらせといて欲しかったけど」

「まぁまぁ、終わったからもういいじゃん」

「調子いいんだから……めぐみは?」

「私も大丈夫だよ。何持っていこうか悩んだけど、向こうにほとんど揃ってるって言ってたからできるだけ荷物は少なくしたけど」

「あー、そういえば会長そんなこと言ってたね。でもいつも使ってるやつ使いたくならない?」

「私そういうこだわりあんまりないから」

「へぇ、そうなんだ。ちょっと意外かも。レイちゃんは?」

「私はいつも使ってるの持ってくけど。シャンプーとか、今使ってるやつが一番髪に合ってるし」

「二人ともそういうことちゃんと考えるんだ……私もちゃんとしないとダメかな」

「まぁその辺はゆっくり見つけていけばいいんじゃない? 別に焦って探すことないし」

「そうそう。ハル君なんてこだわりなさすぎてずっと私が買ってきた物だけ使ってるし」

「俺のことは別にいいだろ。髪なんて洗えればいいんだし」

「ダメだなーハルっち。そういう考えだからモテないんだよ」

「余計なお世話だ!」

「あはは、怒った怒ったー」

「まぁまぁ、シャンプーの話題は置いといて。皆明日の準備はばっちりってわけね。ハル君の分は私が用意したから、一安心かな」

「レイちゃんハルっちの分まで用意したんだ……もうお母さんじゃん」

「だって心配だったし。私がした方が確実だったから。今まで小学校と中学の修学旅行とか、他の時も私が用意したよ」

「それは……マジ?」

「最初は自分でやるって言ってたんだけどなぁ。なんかそのうちこれいいかって思う様になって」

「飼いならされてるじゃん」

「そうともいう」

「まぁとにかく、明日は朝の八時に雫先輩の家に集合だからね。寝坊しないでよ、雪」

「アタシだけ!?」

「だってめぐみにその心配はないし、ハル君は私が起こすし。行く面子の中で遅刻の心配があるの雪だけだよ」

「アタシだって大丈夫だから! 一番に会長の家行ってあげるよ。だいたいそういうレイちゃんだって——」


 その後も四人は食事をしながら旅行へ期待を膨らませるのだった。



今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

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それではまた次回もよろしくお願いします!


次回投稿は3月25日21時を予定しています。

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