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第61話 テスト結果、そして夏休みへ

誤字脱字がありましたら教えてくれると嬉しいです。


『聖剣乙女~聖剣? いいえ、呪いの剣です~』を投稿しました!

もしよろしければ読んでください!

 数日後、晴彦達の元にテストの結果が返って来ていた。

 夏休み前最後の壁だ。この結果次第では輝かしい夏休みも一転して地獄の補修合宿になってしまうのだから。真面目に勉強していなかった者ほどこの瞬間の緊張感は高まるであろう。

 晴彦もそんな一人だ。晴彦の場合は、赤点の心配ではない。零音達に手伝ってもらったのにいつもと同じ成績では示しがつかないからだ。


「ハル君、どうだった?」

「……ん」


 そんな晴彦の緊張を感じていた零音も、若干緊張しながら晴彦にテストの成績を聞く。すると晴彦は黙って返ってきたテストを零音に見せる。


「あ、すごい! いつもより全然点数いいねハル君!」


 恐る恐る点数を確認した零音は喜色満面で言う。晴彦のテストの点数は中間試験の時よりも上がっていた。大きく点数が上昇したわけではないが、前回よりも広いテスト範囲で点数が上がったというのは晴彦の成長の証だ。


「すごい! すごいよハル君!」

「そこまで喜んでくれると俺も頑張った甲斐があったよ」


 まるで自分のことのように喜ぶ零音を見て、晴彦も顔を綻ばせる。それだけでテスト勉強を頑張って良かったと思えるほどだ。


「そういう零音はどうだったんだ? まぁ、零音のことだから大丈夫だと思うけどさ」

「私はやっぱりいつも通りだったよ。今回は雫先輩に貰った過去問のおかげで少しだけ点数上がったけど」

「零音はずっと俺とか雪さんの勉強見てたもんな。自分の勉強に集中できなかったんじゃないか?」

「それは大丈夫だよ。教えるのも勉強だし。むしろハル君達に教えてたおかげで点数維持できたって感じだよ」

「そうか? ならいいんだけど」

「おーい、ハルっち、レイちゃーん。テスト点数どうだった?」

「あ、雪さん。俺はこんな感じだったよ」

「私はいつも通りかな」

「おー、二人ともさすがだね。さっきやまっちにも聞いてきたけど、やまっちもすごい点数良かったんだよねー。ずっと彼女さんとテスト勉強してたらしいんだけど……それであの成績とかリア充羨ましすぎない?」

「いや、それは妬みすぎだろ」

「だってさぁ、羨ましいじゃん。恋人とテスト勉強とか青春の醍醐味じゃん。一つの勉強を挟んで勉強して、わからない所は教え合う。そして気付けば二人の距離は縮まり、触れ合う手と手。そして気付けば二人は見つめ合い……やがてその距離はゆっくりと——」

「ストーーーップ! 雪、急になに変な妄想垂れ流してるの!」

「え、あ、ごめんごめん。この間めぐちゃんに借りた小説がそんな感じの内容だったからつい……でもとりあえずね、あのやまっちがそういう青春してたと思うと羨ましくて仕方ないの!」

「山城君はそういう感じじゃないと思うけど……」

「普通に勉強してそうだよな」

「いーや、甘い。甘いね。あぁいうタイプの方が燃え上がった時は激しいんだよ」

「それ雪の偏見じゃん」

「偏見でもなんでも羨ましいものは羨ましいの。今回みたいにみんなで勉強するのも楽しいけどさ、せっかくなら恋人と二人でテスト勉強ってのも体験してみたいじゃない」

「そうなの?」

「少なくともアタシはね。まぁアタシに彼氏はいないんだけど……」

「恋人と一緒にテスト勉強以前の問題ってわけね」

「まぁ……ハルっちがアタシの恋人になってくれるならできるんだけどねぇ」

「え、は、はぁ!?」

「あはは、冗談だよ冗談。ハルっちもしかして本気にした?」

「いや、だって急にそんなこと言われたら誰だって驚くだろ!」

「赤くなっちゃって可愛いなーもう……って、レイちゃんがかつてないほどの殺意の目でアタシを睨んでる!?」

「冗談で良かった。もし冗談じゃなかったら……ね?」

「あは、あはは……そだね、ホントに。って、あ、そうだ。レイちゃん。ハルっちにあのこと話した?」

「あのこと?」

「ほら、この間喫茶店で話したじゃん」

「あ、そうだった。ごめん、まだだ」

「もう、話しといてって言ったじゃん」

「何の話だ?」

「ほら、この間夏休みにみんなで遊ぼうって話したでしょ」

「あぁ、うん。それで、そのことについてアタシとレイちゃんと先輩で話したんだよ」

「それで?」

「その結果、みんなで海に行こうって話になったの。せっかくの夏休みだしね」

「海かぁ。そういえばもう何年も行ってない気がするな」

「でしょでしょ。だから今年の夏休みは皆で海に行こう! アタシ達以外にも何人か誘うからさ、ハルっちも一緒に行きたい人がいたら誘っといてね。詳しい日程はまた連絡するから」

「あぁ、わかった」

「海に行くまでに夏休みの宿題は終わらせるからね……って、二人とも目を逸らさないで」

「楽しい計画考えてる時に現実出さないでよぉ。夏休みの宿題のことはいったん置いとくの!」

「そんなに強く言うことじゃないでしょ……」

「いいからいいから、それじゃあ皆で楽しい夏休みにしようね!」


 そして怒涛の一学期が終わり、零音達に夏休みがやって来る。


 余談ではあるが、友澤のテスト結果は言うまでもなく赤点だらけで……この時点で友澤の高校生最初の夏休みは補習で潰れることが確定したのだった。



10月からTwitterを始めました。SNS初心者すぎて使い方全然わかってないですが……。作品の投稿などをメインに投稿していきたいと思ってます。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございます。

ブックマーク&コメントしていただけると私の励みになります!

それではまた次回もよろしくお願いします!


次回投稿は10月5日21時を予定しています。

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