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凡人な私は落ち着きが欲しい

日間ランキング10位ありがとうございます!


 


 家に帰り着き、リビングに行くと有田と兄がいた。


「明希様、おかえりなさいませ。」

「明希、おかえり。美希と一緒に帰ってこなかったの?」

「いや、まぁうん。友梨ちゃんに送って来てもらったんだよ。

 それより、何か食べたいな〜ご飯食べ損なっちゃってお腹ペコペコなんです!」

「わかりました。ご用意いたしますね。」


 そう言って有田が持って来てくれたのはオムライスだった。すごい!有田すごい!!本日のランチでなにを食べるか選手権第2位を獲得したオムライスを持ってくるなんて!!うちの執事が優秀すぎる。


「ありがとう!ちょうど食べたいなぁって思ってたんだよね。」


 お礼を言うと早速いただいた。うんうん。トロトロの半熟たまごが最高に美味しいです。





 無事完食したところで


「ねぇ、明希。なんで帰ってるの早かったの?今日は午後まで学校あるはずだよね?」


 との兄の一言で自分がなぜ友梨ちゃんに家に連れ帰ってもらったのかを思い出した。

 いや、忘れてたわけじゃないんだよ。そういうわけじゃないんだけど、空腹時と満腹時って頭回らなくなるからさ!


「実は、お昼休みに食堂に行ったんだけど、そこで私が転んで美希のスカートにミートソーススパゲッティーをかけちゃったんだ。

 幸いなことに美希はやけどとかはしなかったんだけど、そのあとごたごたしちゃったので帰ることになりました。」


 正直に白状しました。


「なるほど、明希はおっちょこちょいなところがあるからね、次から気は気をつけなよ。

 でも美希も明希も怪我をしなくてよかったよ。」


 兄ぃぃぃい!!!慰めてくれるなんて!!!そうですよね。確かに私は鈍臭いところがある。スマートな大人になってみせまするぞ!!!


「そうですねもう少し落ち着かれて頂けると私も嬉しゅうございます。

 美希様には新しいスカートをご用意しますね。

 明希様が汚すだろうと思って何枚か予備をご用意していて正解でした。」


 はい。さすが有田!私が汚すのを見越して予備を用意してあるとは!!助かります。と言うか頭が上がりません。


「はい。今日のことはしっかり反省してこれからは生活態度に気をつけます。」


 うん。高校生になったことだしもっと気をつけようと改めて思った。





 すると


「ただいまー!」


 美希が帰って来た。

 あれ?帰ってくるの早くないか?

 あーそっか!今日の午後は新入生歓迎会があるだけだから早く帰ってこれるのか!

 なるほどなるほど。


「みーきー!おかえりなさい!!

 今日は本当に本当にごめんなさい!これからはもっと気をつけるから私のこと嫌いにならないでぇぇぇえ!!!」

「明希ちゃん!本当に大丈夫だから、心配しないでね!それに私が明希ちゃんのこと嫌いになるなんてこと絶対にないからね!!」


 あぁ、私の妹って本当に優しいなぁ。私、美希の姉やっててよかった。


「それに朝斗くんがごめんね。私のことを心配してくれたみたいで焦っちゃったみたいなの。明希ちゃんのこと責めるなんて御門違いだよねぇ。ちゃんと誤解は解いといたから大丈夫だよ!」

「いや、でも私のせいであぁなっちゃったし。あの子はなにも悪くないよ。

 ところで朝斗くんって何者??美希の友達??」

「もー!気にしないでいいってば!!

 うん。そうだよ!水瀬(みなせ) 朝斗(あさと)くんだよ。幼稚園から小学生の時は留学してて、中学からまた東林に通ってるんだよ。」


 ふむふむ。なるほど。帰国子女ってやつですな!まぁ、私もだけど。

 美希の友達ならこれから会うこともあるだろうけどなぁ。初対面がアレだったからね、、、良い印象持たれてないだろーなー。

 ま、なんとかなるか〜








 ____________________________________________



 次の日。



 学校に着くと匠に会った。


「おはよ〜」

「あぁ、おはよ。」

「ねぇねぇ、匠ってさ、孤高の君(笑)って呼ばれてるんだね!」


 ブフォッ


 匠が吹き出した。


「な、なんでそのこと知ってるんだよ!?」

「いや、昨日たまたま聞いてさぁ。匠、昔から人見知りだったもんねぇ。」

「人見知りって言うなよ!これでも前よりはマシになったんだからな!」

「それは私も思った。瑞樹君という友達をゲット出来ただけでもすごいことだよ!!匠も大きくなったんだねぇ。」

「おい!なんで上から目線なんだよ!!でも、瑞樹はマジで良いやつだと思う。」


 ほぅ。匠に 良いやつ と言わせるなんて瑞樹君もなかなかやるな!




 幼馴染の成長を感じていると声をかけられた。


「ちょっと!あなた、なに菅野様に話しかけてるの!?ご迷惑だってことわからないのかしら!!!?」

「そうよ!昨日申し上げたこと、もうお忘れなのかしら?」


 昨日、食堂で私が悪役令嬢的なことをしてるといってきた人たちだった。

 ご迷惑って…いや、それ多分誤解だから!!


「あのさ、匠は私に話しかけられるのって迷惑?」


 本人に確認することにした。


「いや、別にそんなことはない。」


「あの、匠は迷惑じゃ無いって言っているのですけど?」


 どうだ!本人が否定したんだし誤解も解けるであろう??


「嘘よ!菅野様はお優しい方だから美希様の姉であるあなたに気を使っているだけだわ!

 なんてひどい方なの!?」


 他の人も口々に「そうよ、そうよ!」とか言ってる。

 えー!誤解解けない〜なんでやねん!!


 私が心の中で突っ込んでる間に

「覚えてなさいっ!」

 とかなんとか言ってその人達は去っていった。


「あいつら一体なんなんだ?」

「…さぁ?」


 匠と2人でしばらく呆然としてしまった。

 なんか、嵐のような人達だなぁ。

 それにしてもなぜに誤解解けないし!!おかしい。これはおかしいだろ!!!!




 教室に着くと友梨ちゃんにさっきあったことを話した。


「あぁ。あの人達は『美希様をお守りする会』の会員だからね。」

「…なにその会?」

「美希さんを熱狂的に崇拝してるやつらの集団よ。中等部になって出来たから明希は知らなかったのね。」

「ほぅ。まぁ、美希に害がないならいいや〜」

「んー。確かに美希さんには害はないけど…あんた美希をいじめる嫌な姉ってことになってるみたいよ。」

「え!?なんで!?!?昨日の件のせいかな?」

「おそらくそうね。そういうわけだからお守りする会には気をつけたほうが良いわ。」

「なるほど。うん。気をつけるよ!」


 まぁ、でもちょっとした誤解なんだしそんなに心配する必要なんてないさ!







 と、思ってたんだけどねぇ。

 その考えは甘かったと思い知ることになった。






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