凡人な私とはじめの一歩
車で走って30分、私が今日から通う東林高校についた
結構近いね!いいね!!
東林高校は私立東林大学付属の高校である。東林学園は幼稚園から大学まである良家の子女が通う由緒正しい学校だ。
そう、日本で五本の指に入る名家、小宮家の令嬢たる私と美希が通うのも必然というものなのだ!
それ故に教師たちの質も授業の質も高い
敷地もやたらと広い
校舎も綺麗だし冷暖房完備だ
食堂もあり、どこぞの有名レストランで腕を振るっていたシェフの作ったランチを食べることができる
言わずもがな最高に美味しいらしい
これから毎日美味しいものを食べられるなんて最高ですなぁ〜
また、東林を出れば将来安泰 と言われるほどで偏差値もそれなりにお高い
幼稚園からのエスカレーター組が高校の全校生徒の2分の1を占めているが良家の子女たるもの勉学もできなければならないらしい
ご苦労なことである
ちなみに私と美希もエスカレーターに乗って今日に至る
私は顔も凡人、頭も凡人なのだが マイエンジェル美希たんは天使の美貌と明快な頭脳を持っている
さすがです
姉は君を誇りに思っているぞ!
高校に入るにあたり内部試験があったのだがこれをパスするために有田に勉強をみっちり教えられたのは記憶に新しい
しかも私はエスカレーターを一旦降りて留学なるものをしていたせいで勉強はあまりしていなかった
え?留学って勉強するもんじゃないかって?
痛いとこ突くね〜
まぁ、触れないでおくれ!
有田はスパルタだった だが現役大学生なだけあって教え方はすごく上手だった
たまに持ち前の毒舌が炸裂することもあったが
いや、たまにじゃないすきあらば毒舌をかましてきたが
私はそれを右から左に聞き流し
無事合格をもぎ取ることができたのだった
辛く過酷な日々を通して上がったのは知能だけでなくスルースキルもだったに違いない
そんなことを考えながら私はリムジンが停車したロータリー(良家の子女たるもの車通学は当たり前なのだ)に降りた
続いて天使が降り立った
そう、降り立ったのだ
同じリムジンから降りるという動作のはずなのに私がやると降りる、美希がやると女神降臨!と表現が変わってしまう
いやはや、さすが天使!!
ロータリーにいた他の生徒たちが美希に見惚れていた
うん。わかる!
だって天使だもの!!
どーだ!私の妹は可愛いだろ〜
と声を大にして言いたい
「行ってらっしゃいませ、お嬢様。
おかえりの際はまた迎えにまいります」
有田が執事らしく(いや、執事だけども)微笑みながらそう言ってお辞儀をするとあたりから
キャーかっこいい!
だのなんだのと声が上がった
そう。有田はかっこいいのだ。
すらりとした高身長で漆黒のさらさらの髪、目、中性的なマスクの美青年なのだ
イケメンはキャーキャー騒がれる存在ですもんね。
それが世界の理なのです。
「有田さん、行ってきますね!
明希ちゃん!
掲示板にクラスみにいこっ」
とこれまた可愛らしくおっしゃった
そして私の手を掴むと歩き出した
いやぁぁぁあ!!!!!美希がぁぁあ!私の手を掴んでるだと!?!?
嬉しい!嬉しすぎるぅ
可愛すぎるだろ これが姉の特権ってやつか!?
家族サービスなのか!?!?
私が心の中でのたうちまわっているといつの間にか掲示板の前にたどり着いていた
ふむ。
ほぅ。
美希のクラスは1組
私は2組だった
無念、、、同じクラスになるという夢は儚く散ってしまった
まぁでも双子だしさ!別れるよね!うん。知ってた。
知ってたけどさ〜可愛い美希をできるだけ見てたいじゃんか〜
私が落ち込んでいると
「おい! おいってば!!」
誰かに肩を叩かれた
見上げるとそこにはイケメンがいた
よく見るとそのイケメンには見覚えがあった
「あー!匠だ!
お久しぶりだね!」
「おー。久しぶりだな
日本に帰ってきたんだな!
俺も2組だからクラスでもよろしくな」
ふむふむ
匠が同じクラスなのかー
知り合いが同じクラスにいるとわかると少しホッとしました!
私も小学校までは東林に通っていたので友達はいるが、知り合いはいるに越したことはないからね!!
ぼっちになったりしたら学校生活が悲しいことになってしまうからねぇ
あぁぁぁあ!
でも美希とクラスが離れてしまったのは悲しきことよのぅ