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凡人な私と対策会議

 


 ご飯も食べて、お風呂も入って準備完了です。時刻も23時を回りました〜

 いざ、参らん!





 ▽ポンコツラーメンがログインしました


 む。どうやら毒林檎はいらんかね?のメンバーは全員ログイン済みみたいだな。



 ▽ポンコツラーメン

  みなさんこんばんは!


 ▼マッチ売りの仙人

  こんばんは〜


 ▼江戸の石油王

  こんばんは!緊急案件ってなにかな?気になるなぁ


 ▼マッキー

  こんばんは。



 この4人がギルド 毒林檎はいらんかね? の全メンバーです!

 みなさんご存知、マッチ売りの仙人さんがマスターやってます。そして、私 ポンコツラーメンはサブマスターやってます。


 それじゃあここで新メンバーのご紹介をいたしましょう!



 まずは江戸の石油王!!

 石油王の名にふさわしいアラビアンなお召し物を着ておられる褐色の肌の青年です。ヒラッヒラのやつです。そして、江戸っ子の魂がアイデンティティなのか、腰には刀をさしています。このお召し物、欠点がございまして、なんと防御力がボロクソ低いのです。よって石油王さんは遠距離攻撃を担当しておられます。ちなみに腰にささっている素晴らしき刀は魔法の杖代わりに使われています。石油王を守ることが我がギルドの勝利に繋がるのです。



 続いて〜マッキー!!

 どこにでもいそうな普通の日本の青年って感じの見た目してます。

 どんな局面でも常に冷静に判断できる我がギルドのブレイン!

 しかもなかなかの強運の持ち主でレアアイテムがよくドロップする。羨ましい限りである。




 と、このような4人によって構成されております!

 実は私達、リアルでも知り合いなのです!!

 3年前、留学先のイギリスで出会いました。

 マッチ売りの仙人と江戸の石油王と私は元からゲーマーだったんだけど、AMを始めるときにマッキーもこの世界に引っ張り込んだのです!!

 最初は無理やり付き合わされていたマッキーもプレーしていくにつれてAMの良さに気がついたようだ。いや〜まさかずっと続けてくれるとは思ってなかった!ゲームは偉大なり!!


 みんな自分のペースでコツコツプレーしているのだが、仙人と石油王と私がやり込んだ結果、なかなか上級のギルドに成長してしまった。



 ▽ポンコツラーメン

 みんな、集まってくれてありがと!最近困ったことがあってさぁ。みんなの知恵をお借りしようと思いまして、、、


 ▼江戸の石油王

 ふむふむ。そういうことならこの石油王にお任せあれ!


 ▽ポンコツラーメン

 ありがと!

 では早速ですが、緊急案件を発表したいと思います!!

 なんと!私、悪役令嬢になってしまったのです!!!


 ▼マッチ売りの仙人

 …それってどういうこと?

 悪役令嬢って乙ゲーに出てくる悪役令嬢のこと?


 ▽ポンコツラーメン

 そうそれ!

 なんか、学校で私が妹をいじめる悪い姉って噂になってしまったんだよねぇ。

 しかも、妹とイケメン幼馴染の仲を邪魔してるってことにもなってるんだよ〜


 ▼マッキー

 ポンさんに限って妹さんをいじめるなんてことはあり得ませんよね。

 幼馴染の方ともむしろポンさんの方が妹さんより仲が良かったと思いますし。


 ▼江戸の石油王

 まじかー笑。

 現実世界で悪役令嬢やるなんてポンちゃんもなかなかやるねぇ。


 ▼マッチ売りの仙人

 笑い事じゃ無いよ!

 そんな噂が広がってしまったら学校生活がお先真っ暗になっちゃうじゃ無いの!?


 ▽ポンコツラーメン

 そうなんです!

 実は2年生にも広まってしまったようで、、、

 どうにかしようと思い、みなさんに相談に乗ってもらおうと思ったのです。


 ▼江戸の石油王

 え、他学年まで!?

 それはまずいな、、、

 我らがサブマスター、ポンちゃんの危機は俺たちの危機、協力して悪役令嬢の汚名を晴らそう!!!


 ▼マッキー

 そうですね。早急に対策をしましょう。

 それにしてもどこからポンさんが悪役令嬢なんていう話が出てきたのでしょう?


 ▼マッチ売りの仙人

 そうだよね〜ポンちゃんってなんて言うか、悪役令嬢っぽさ無いもんね〜

 普通って感じの女の子だもんね。


 ▼江戸の石油王

 ほんとほんと!ポンちゃんってフツメンだし、性格だってイケメンにキャーキャー言うタイプじゃ無いし!

 結構小心者だから人をいじめる度胸なんてないもんねぇ

 悪役令嬢なんか無理っしょ!



 石油王ぉぉお!!お前、フツメンだの小心者だのソレ、フォローになってないからな!!むしろ貶しにかかってるだろ!でも事実だから何も言えないっす



 ▽ポンコツラーメン

 石油王、貴様の今の発言によりか弱い私のガラスのハートはみごとに砕け散ったからな!


 ▼マッキー

 安心してください。ポンさんのハートはガラスはガラスでも銃弾にも耐えられる強化ガラス製ですからその程度では傷一つつきませんよ。


 ▼マッチ売りの仙人

 そうよね〜そのくらいのことじゃポンちゃんは全く傷つかないわよね〜



 …あっそー。そうですかー。そうですねー。チッ。ここには私を労ってくれるヤツなんか誰もいないのか!



 ▽ポンコツラーメン

 みんなが何を言おうと私のハートは脆いガラス製だからね!


 ▼マッキー

 まぁ、ポンさんのハートが何製だろうとさして興味もありませんし、どうでもいいです。

 話を戻しますよ、どこからポンさんか悪役令嬢という話が出てきたんですか?


 ▽ポンコツラーメン

 はい。少しは興味持ってもらいたかったです。

 話戻します。

 それはですね〜妹に事故で学食でミートソーススパゲッティーをかけてしまったんですよ。それを見たイケメン(攻略対象)が私がわざとやって、(ヒロイン)をいじめてるって思ったみたいです。さらにさらに妹の親衛隊の方々にも同じ誤解をされてしまいましたー。

 ついでに人見知りの幼馴染(学校では孤高の君とか言われてるらしい)とおしゃべりしてたのを見て、幼馴染と妹の仲を邪魔してるって思われたらしいのです。

 以上のことから私は妹をいじめる嫌な姉、つまり悪役令嬢となってしまったのです。


 ▼江戸の石油王

 なるほど〜そんで妹ちゃんをいじめてるって噂が広まっちゃったのか〜


 ▼マッキー

 幼馴染の件はさておき、学食での件はポンさんの注意不足が招いたことですよ。

 だからあれほど周りを気にしなさいと言っているのに。



 ハイ。ソーデスネ。耳が痛いっ!



 ▼マッチ売りの仙人

 まぁまぁ、マッキー落ち着きなされ!

 やってしまったことは取り返しがつかないことだしね〜

 ポンちゃん、次からはちゃんと気をつけるんだよ?

 よし、とにかくポンちゃんが無実の人であることをアピールすればいいのよ!!


 ▼江戸の石油王

 そうだね!

 悪役令嬢ってバッドエンドしか待ってないもんね〜このままいくとポンちゃんやばいもんね!


 ▽ポンコツラーメン

 そうなんだよ〜バッドエンドだよ…

 さっきまで『fortune』っていう乙女ゲームやってたんだけどさ、悪役令嬢のアリスちゃんは勘当されて国外追放されてたんだよ…

 同じ道を歩むなんて、そんなの絶対嫌だー!


 ▼マッキー

 取り敢えず、しばらくは目立ったことをせずひっそりと大人しく生活すれば良いのでは?

 人の噂も七十五日と言いますし、時間が解決してくれることもあるかと思います。


 ▼マッチ売りの仙人

 そうね〜それなら簡単にできるわよね!

 まずは勘違いしている攻略対象のイケメンと親衛隊には近づかないようにしましょう!


 ▼江戸の石油王

 それいい!

 相手を見かけたらダッシュで逃げるとか!

 学食もしばらくは使わない方が良いんじゃない?


 ▽ポンコツラーメン

 よし。やってやる!

 取り敢えずその作戦を75日間程度やってみることにするよ!!

 みんなに相談してよかった〜何だかいける気がしてきたーー!!!


 ▼江戸の石油王

 それは良かった!

 まぁ、地道に頑張れ!!


 ▼マッキー

 検討を祈ってます。


 ▼マッチ売りの仙人

 私たち4人がいれば最強だものね!

 頑張れポンちゃん!!


 ▽ポンコツラーメン

 ありがとう!ありがとう!みんなの声援を糧に私は運命に立ち向かってみせる!!

 今日は遅くまで話に付き合ってくれてありがとう!

 この後はどうする?


 ▼江戸の石油王

 うーん。この前追加された新しいダンジョン回らない?


 ▼マッチ売りの仙人

 いいね!早速いきますか〜


 ▼マッキー

 残念ですが私は今日はもう落ちます。


 ▽ポンコツラーメン

 私も落ちまーす。明日からの戦いに向け、体力を温存しとく!


 ▼マッチ売りの仙人

 りょーかい!

 マッキー、ポンちゃんおやすみ〜


 ▼江戸の石油王

 残念だけどしゃーないな!

 人畜無害アピールファイト〜

 おやすみー



 ▼マッキーがログアウトしました


 ▽ポンコツラーメンがログアウトしました





 いや〜持つべきものは仲間ですな!みんなに相談して良かったわ〜

 ふぅ。人畜無害アピール頑張ってやろうじゃないか!



 よし。取り敢えず寝るか!

 と、ベットに入ると



 コンコン



 ドアがノックされた。


 誰だよ。夜中に乙女の部屋にやってくるとは一体何やつ!?


「はーい。どなたですかー?」


 一旦ベットから出て、ドアを開けると


「明希様、夜分遅くにすみません。少しお話ししたいことがございまして、やってまいりました。」


 有田だった。

 実は、有田は我が家に住み込みで働いているのだ。有難や〜


「左様ですか。それならどーぞお入りくださいな!」

「失礼します。」


 私も有田もソファーに向かい合わせで座ることにした。

 有田が無表情でこっちを見てくる。整った顔をしているから余計に怖い。夜の学校であったら間違いなく叫んでる。ホラーですよー。

 しばらくするとおもむろに口を開いた


「明希様。学校で美希様をいじめていらっしゃることになっているんですね。」



 なぜ有田が私が誤解されていることを知っているかというと、実は!なんと!有田がマッキーだからでっす!!

 有田の下の名前は雅生(まさき)って言うんですね〜だからマッキーです!

 ひねりがないといえばないけど、そこが有田っぽいよね!!



「うん。そうみたい。でも明日から大人しくしてるから大丈夫だよ!」

「そうは言ってもその作戦の効果が現れるのには時間がかかります。もし、何かあったらすぐに私に教えてください。」

「えー。大丈夫だよ〜」

「大丈夫ではありません。明希様に何かあってからでは遅いのです。それにしてもなぜ昨日のうちに誤解されてしまったとおっしゃって下さらなかったのですか?」

「うーん。昨日の時点ではそんなに大ごとだと思って無かったんだもん。」

「…。わかりました。今回のことは許しましょう。ですが次からはちゃんと言ってくださいね。いいですね?」

「はい。」

「よろしいです。ではそろそろ失礼いたしますね。

 夜遅くに押しかけてしまい申し訳ございませんでした。」

「いやいや、心配してきてくれてありがとう!

 こちらこそ今日は相談に乗ってもらってありがとう!」


 私がそういうと、有田は少し微笑んで


「少しでもお力になれたら良かったです。

 それではお休みなさいませ。」


 と言った。いや〜うちの執事は優秀です。


 私もおやすみを言って有田が部屋を出て行くとまたベットに戻った。




 今日は長い一日であった。


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